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【ヅカナビ】宝塚音楽学校第106期文化祭

2間の学びの成果披露、温かく見守る客席

中本千晶 演劇ジャーナリスト


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 2月21日、宝塚音楽学校第106期の文化祭を観に行ってきた。「文化祭」とは卒業を控えた音楽学校生(本科生)たちが2年間の学びの成果を披露する場である。

 3部構成で2時間半の公演が3日間、各日2回行われる。第1部では幕開きに「清く正しく美しく」の歌に合わせて全員が緑の袴姿で踊る「日本舞踊」があり、予科生の合唱を挟んだ後、クラシック・ヴォーカルとポピュラー・ヴォーカル(宝塚歌劇メドレー)となる。そして第2部が演劇、第3部がダンスコンサートである。ダンスコンサートではバレエ、モダンバレエ、ジャズダンス、タップダンスなど様々なジャンルのダンスを披露する。文化祭は舞台人としてのタカラジェンヌがいかに幅広い基礎教育を受けているかが感じられる場でもあるのだ。

 今年の文化祭は新型コロナウイルス対策のため、会場での出迎えやプログラムの販売を行う予科生がことごとくマスクをつけ、何となく落ち着かない雰囲気。だが、幕が開いてからは舞台から発せられる清々しいパワーでどんよりとした不安も吹き飛んでしまった。ノリの良い曲では自然と手拍子が起こるなど、客席は温かい空気に包まれていた。

 毎年、約40名が宝塚音楽学校を卒業し初舞台を踏むわけだが、文化祭を観ると「今年はお芝居が上手い人が多いな」「ダンサーが多いな」、あるいは「男役が豊作の期だな」「娘役が豊作だな」といった傾向を感じる。それでいうと106期は男役に気になる人が多い印象。一般に「男役10年」という言葉もあるとおり、早い段階での見極めは男役の方が難しい。それでも今年はタカラヅカの舞台並みにあちこち目移りする感じもワクワクした。もちろん、現時点での予測は当たることもあるし、後述するように外れることもまた楽しみの一つである。

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筆者

中本千晶

中本千晶(なかもと・ちあき) 演劇ジャーナリスト

山口県出身。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルート勤務を経て独立。ミュージカル・2.5次元から古典芸能まで広く目を向け、舞台芸術の「今」をウォッチ。とくに宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。主著に『タカラヅカの解剖図館』(エクスナレッジ )、『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか』『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』(東京堂出版)、『鉄道会社がつくった「タカラヅカ」という奇跡』(ポプラ新書)など。早稲田大学非常勤講師。

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