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市川右團次 市川右近 巡業初の親子共演!

『伝統芸能 華の舞』で「連獅子」を披露

真名子陽子 ライター、エディター


 日本が誇る伝統芸能である歌舞伎を、若い世代の方にも観て欲しい、素晴らしさを伝えていきたいという想いから生まれた『伝統芸能 華の舞』が、10日から福岡を皮切りに全国で上演されます。

 この公演で市川右團次さんと市川右近さん親子が巡業で初共演します。二人が披露するのは、ラグビーワールドカップの開幕式でも披露した『連獅子』。また、市川海老蔵の一門である市川九團次と大谷友右衛門の次男、大谷廣松は連れ舞が美しい舞踊、『二人椀久』を披露。そして、市川右團次の一門である市川右若、市川右左次、市川右田六は舞踊『吉原雀』を披露します。

 美しい舞踊『二人椀久』、愉しさがある『吉原雀』、親子だからこそ表現できる豪快で息の合った『連獅子』の毛振りを堪能できます。市川右團次さんの取材会が大阪で開かれ、本公演の意気込みを語ってくれました。

親バカですが、打てば響いてくれるなと

拡大市川右團次=安田新之助 撮影

市川:この度、全国10カ所17公演をさせていただきますことを、非常に光栄に思っております。子どもの指導も大変なんですけれども、ONEチームになってがんばりたいと思います。お買い求めやすい価格でご覧いただけるということ、そして新たなお客さまにもお越しいただきやすいホールでやらせていただきます。演目それぞれに違う魅力がありますので、歌舞伎をご覧になったことがない方々にも足を運んでいただけるよう期待しております。

記者:市川右近さんと親子で連獅子を演じます。

市川:昨年のラグビーワールドカップの開幕式で、倅と一緒に踊らせていただいたことがきっかけなんです。2分ほどの抜粋でしたが、今回はもちろん全編をご覧いただきます。「連獅子」は倅の好きな演目で、バスタオルとかを使いながら毛の振り方をよく真似していたんです。もちろん振り方は違いましたが、事前に稽古用の毛を借りて稽古をしていく中でちゃんと振れるようになりました。親バカですが、打てば響いてくれるな、いけそうやなと感じました。しっかりと指導して参りますのでよろしくお願いいたします。

まったく緊張しなかった右近

拡大市川右團次=安田新之助 撮影

記者:開幕式で演じられた感想は?

市川:ワールドカップのマスコットが「レンジー」と言いまして、連獅子をイメージしているんですね。「連獅子」は子どもを千尋の谷に突き落として、谷底から這いあがってきた力強い子どもだけを育てるという故事に習った舞踊です。そのレンジーの基になった連獅子を世界へ発信しようということで、私たち親子に白羽の矢を立てていただき演じさせていただきました。倅はまだ9歳ですから、ちょっと無理なんじゃないかなと思ったのですが、親子でやらせていただくことで、連獅子の本質を分かっていただけると思い、懸命に指導いたしました。倅もそれについてきてくれまして、どうにか努めさせていただいたという次第です。その姿をたくさんの方々にも見ていただきたいと思いますので、この公演も親子で務めさせていただきます。

記者:その時の右近さんの様子はいかがでしたか?

市川:まったく緊張しなかったらしいです。彼は堂々とやっていましたね。歓声をいただいて、あの場所で踊らせていただいたのは永遠の思い出です。

親子で「連獅子」を演じる意味とは?

拡大市川右團次=安田新之助 撮影

記者:「連獅子」は親子で演じるからこその意味があるんですね。

市川:やはり親子で踊らせていただくことで「連獅子」の本質が見えるのかなと思います。僕らも親子でありながら師弟関係でもあります。親獅子を演じるにあたって子を思う気持ちだったり、子どもが親を思う気持ちであったり……。演じることで、親と子、そして師匠と弟子という関係がリンクするのではないかと思います。「連獅子」は子どもを教育するという普遍的なテーマを持っていると思います。

記者:親として共鳴することは?

市川:わざわざ子どもを千尋の谷へ突き落とすのですが、登ってきて欲しいという思いがどこかになくてはいけないですし、登ってきてくれたうれしさもあるんですよね、愛情で突き落としますから。言えば今回も倅を谷に突き落とすことになるのかもしれませんが、懸命についてきてくれたらうれしいです。

2020年は忘れ得ない年になる

拡大市川右團次=安田新之助 撮影

記者:見どころを教えてください。

市川:前半は狂言師として中国の故事を説明するストーリーテラー的な役目を務め、後半は獅子の精になって毛振りをご覧いただきます。前半と後半は違う人間だと思っていただいた方が良いかもしれないですね。難しさは、親子ではあるのですが前半は語り部にならなければいけない、そこは非常に難しいと感じています。感情が入り過ぎてもダメですし、入らなさ過ぎてもダメなんですよね。

記者:最後に意気込みをお願いします。

市川:まずはこの公演を成功させようと意気込んでいますし、親としては、移動もありますから、倅が体調を崩さないように気をつけたいと思っています。そして、私に右團次という名前を勧めてくださった市川海老蔵さんが十三代目市川團十郎白猿を襲名されます。やはり市川の一員として全力を注いでいきたいと思っておりますし、市川家にとって素晴らしい一年になると思います。オリンピックもありますし、2020年は忘れ得ない年になるんじゃないかな……。そういうことを大切に考えながら過ごしたいと思います。

◆公演情報◆
『伝統芸能 華の舞』
一、 『吉原雀』長唄囃子連中
市川右若 市川右左次 市川右田六
二、 『二人椀久』長唄囃子連中
市川九團次 大谷廣松
三、 河竹黙阿弥 作『連獅子』長唄囃子連中
市川右團次 市川右近
[公演日程]
福岡:3月10日㈫ 大濠公園能楽堂
鹿児島:3月11日㈬ 宝山ホール(鹿児島県文化センター)
宮崎:3月12日㈭ メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)
大阪:3月14日㈯ COOL JAPAN PARK OSAKA
横浜:3月15日㈰ 関内ホール
千葉:3月16日㈪ 習志野文化ホール
東京:3月17日㈫ 北とぴあ さくらホール
宮城:3月19日㈭ トークネットホール仙台(仙台市民会館)
神奈川:3月24日㈫ 小田原市民会館
愛知:3月25日㈬ 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
公式ホームページ
[出演]
市川右團次、市川右近、市川九團次、大谷廣松 ほか

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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