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『反日種族主義』の「ありがたい」解釈に、心地よくなってはならない

福嶋聡 ジュンク堂書店難波店店長

「ヘイト本」支持者たちに利用される非ヘイト本

 『反日種族主義』は、あくまでも韓国人が自国民の強い「反日感情」を鎮めようとする意図をもって書かれたものであるから、日本人が韓国や中国の人たちを誹謗中傷する「ヘイト本」には当たらない。

 だが、明らかに朝鮮半島の人たちを苦しめた日韓併合からの一連の出来事に関して日本を免罪する論調は、歴史修正主義者が牽引する日本の「保守」勢力を喜ばせ、陰に陽に「ヘイト本」を支持するそうした人たちによって、「ほら見ろ、韓国人自身も言っているじゃないか!」と利用されるであろうことは、想像に難くない。

 40万部とは奇しくも、かつてこの欄で取り上げた時の、ケント・ギルバート著『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)の刷り部数である。

 読者層も、かなりな部分、重なるだろう。

ケント・ギルバート著『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)拡大2017年に刊行されたケント・ギルバート著『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)はベストセラーになった

 そして、この本に対するぼくのコメントも、『儒教に支配された……』に対するのと同じものになる。

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筆者

福嶋聡

福嶋聡(ふくしま・あきら) ジュンク堂書店難波店店長

1959年生まれ。京都大学文学部哲学科卒。1982年、ジュンク堂書店入社。サンパル店(神戸)、京都店、仙台店、池袋本店などを経て、現在、難波店店長。著書に『希望の書店論』(人文書院)、『劇場としての書店』(新評論)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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