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新田真剣佑&岸谷五朗&寺脇康文 取材会レポート

地球ゴージャス二十五周年祝祭公演『星の大地に降る涙』

真名子陽子 ライター、エディター


 岸谷五朗さんと寺脇康文さんが主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」が結成二十五周年を迎え、祝祭公演として『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』を上演します(3月13日~4月13日 舞浜アンフィシアター、5月3日~5月14日 フェスティバルホール)。『星の大地に降る涙』は2009年に地球ゴージャス10作目の作品として上演された作品で、岸谷さん、寺脇さん以外の全キャストを一新、脚本を書き直し新演出版として、よりエンターテインメント性の高い作品となって蘇ります。

 主役のシャチ役を演じるのは、新田真剣佑さん。2018年の地球ゴージャス公演『ZEROTOPIA』に続いての出演で、今作が舞台初主演となります。新田さん、岸谷さん、寺脇さんの取材会が行われましたので、その様子をレポートします。※取材会の後、岸谷五朗さんの個別インタビューも行いました。合わせてご覧ください。

今のこの世界の状況の中で上演するのがふさわしい

拡大左から、岸谷五朗、新田真剣佑、寺脇康文=安田新之助 撮影

記者:岸谷さんへ。二十五周年祝祭公演として、再演となる『星の大地に降る涙』を選んだ理由は?

岸谷:寺脇さんとユニットを組んで25年、あっという間に立ちました。25周年ということでいろんな方がおめでとうございますと言ってくださいます。10周年や20周年の時は、寺脇さんと「いやいや、単なる通過点ですから……」と言ってたんですが、この25周年はちょっと乗っかってみようと思い、二十五周年祝祭公演を企画しました。やはり地球ゴージャスファンのお客さまに支えられての25周年で、お客さまから再演のリクエストが多かったのが、この『星の大地に降る涙』だったんです。

 初演は11年前なんですが、この作品のテーマ性はおそらく、今のこの世界の状況の中で上演するのがふさわしいと思っています。そのこと自体は非常にとても寂しいことなんですが、この反戦をテーマにした作品を、よりエンターテイメント要素を含ませた「THE MUSICAL」として蘇ります。楽曲も2倍ぐらい増えていますし、舞浜にあるアンフィシアターはエンターテインメントをやるにはふさわしい、そして手ごわい劇場で1カ月半上演します。そして我々が愛する大阪のフェスティバルホールへ乗り込みますので、さらにクオリティの高い作品を発表できるのではないかと思っています。よろしくお願いいたします。

シャチ役でのオファーは夢のよう

拡大新田真剣佑=安田新之助 撮影

記者:新田さんへ。前回の地球ゴージャス公演『ZEROTOPIA』を経て、今回は主演です。決まっときの思いや稽古が始まって感じていることを教えてください。

新田:ロスにいた時に見た映像が、後にわかったんですけれどもこの『星の大地に降る涙』の初演の映像だったんです。「なんだ、この舞台は!」と思った記憶があって、地球ゴージャスの作品なんだと知った時はとても縁を感じました。だから、シャチ役でオファーをいただいた時は夢のようでした。今はただただ、五朗さんと寺さんの“熱”を感じています。稽古はとにかくやることがたくさんあって、歌、ダンス、芝居、殺陣、そしてアクションもあって、役者ができるすべてが詰め込まれている舞台だと思います。これからどれだけブラッシュアップをして皆さんにお届けできるか、僕自身もすごく楽しみにしています。

記者:その映像はたまたま見たのですか?

新田:そうなんです。役者になりたいと思い始めていた頃だったので、その映像がとても印象に残っていました。

記者:その映像を見てどんなところに惹かれたのでしょう?

新田:それまでちゃんと舞台というものを観たことがなかったのですが、舞台のライブ感を映像から感じ取ることができたんです。

シャチ役を演じきれるのは真剣佑

拡大岸谷五朗=安田新之助 撮影

記者:寺脇さんへ。初演と同じ役ですが、新たな脚本・演出の中で違う感覚はあるのでしょうか?

寺脇:五朗ちゃんと僕の役は11年前と同じですが、他のメンバーが一新しています。やはり前回は前回の良さがあり、今回はまた違ったセッションが稽古場で行われています。人が変われば接し方も変わってきますし、作品の空気感も全然違います。ただ、あまり考え過ぎることなく、11年前と変わらないところがあって良いと思いますし、新しく感覚的に変わるところもあって良い。今やれることにベストを尽くそうと思っています。11年経っていますので、アクションの質が落ちた、ギャグの質が落ちたと言われないようにしたいですね(笑)。

記者:岸谷さんへ。主演が変わることで演出も大きく変わるのでは?

岸谷:再演というのはこういう事ができるんだということを実感しています。初めてなものですから、前回の役者さんはこうだったから今回は違うところを狙ってみようとか、前回こうだったからそれをもっと大きくするとこうなるなとか、そんなことを考えながら稽古を進めています。そして、この『星の大地に降る涙』をするんだったら、シャチ役は真剣佑しかいないなと。それは、舞台における芝居もそうですが、身体能力、歌、踊り、そして立ち回りなど、総合力を持ってシャチ役を演じきれるのは真剣佑だと思っています。真剣佑のシャチを想像して台本も書き直しましたし、真剣佑だからこの楽曲を増やそうとか、そんな感じで仕上げました。

今すぐにでも帰って稽古したい

拡大左から、岸谷五朗、新田真剣佑、寺脇康文=安田新之助 撮影

記者:新田さんへ。今の岸谷さんの言葉を受けていかがですか?

新田:がんばらなければいけないことが多すぎて、先ほども言いましたように芝居、歌、ダンス、殺陣という大きな4つの要素がギュウギュウに詰められているので……ホントは今すぐにでも帰って稽古したいです(笑)。

岸谷:今、言うと思った!

(一同笑)

新田:稽古の1日1分が大事なので……。とにかく僕は全力を尽くしてがんばるしかないんですけれども、キャストの皆さんひとり一人がエキスパートなので、困った時は、先輩方が助けてくださいますし、殺陣師の先生もいらっしゃいます。皆さんに支えてもらいながら、少しずつシャチを磨いていっているところです……がんばります!

再演だけど新たな一作を創るという思いが詰まっている

拡大寺脇康文=安田新之助 撮影

記者:寺脇さんへ。岸谷さんの脚本は最初に寺脇さんが読まれるとのことですが、今回新たに読んで感じられたことを教えてください。

寺脇:一度やっていますから内容はもちろん知っていましたけれども、まず題名に前回はなかった「THE MUSICAL」と付いています。曲が倍近く増えて、それぞれ登場人物の気持ちが前面に出る時や、感情がトップまで高まった時に歌うようになっているんです。だから「THE MUSICAL」なんだと思いました。最初はなんでわざわざ付けるのかなって、前回も歌はたくさんあったのにと思ったんですけれども、今回の台本を読んだ時になるほどと思いました。再演だけど新たな一作を創るという思いが詰まっているなと感じましたね。

記者:岸谷さんへ。お稽古が始まって手ごたえはいかがでしょうか?

岸谷:最高のキャストとスタッフで今最高の土台ができています。ただ、具現化することの難しさを感じています。昨日、大阪に乗り込んで来たのですが、駅へ向かうギリギリまで必死に稽古をしていました。新幹線に乗るまで息してなかったんじゃないかと思うくらい必死で……。

新田:休憩がなかったですよね、休憩しようって言ったらもう出発の10分前だったので、休憩なし!って言って、そのまま稽古をギリギリまで続行して。

岸谷:早着替えしたもんね。先ほどまっけんが言った、すぐに帰って稽古したいという気持ちは我々も一緒です。でも、本当に素晴らしい役者が集まってくれて、貪欲な役者ばかりで休まずに稽古しているんですよね。その先頭を切って貪欲なのがまっけんです。地球ゴージャスは発声練習まで大体1時間ぐらいのメソッドがあるんですけど、これまで腹筋という項目がなかったのに、まっけんが入って腹筋クラブができまして、そのメソッドが始まる前に全員でやるようになってさらに時間が長くなってね。それぐらい貪欲に稽古しています。

実際に難民キャンプを視察して

拡大岸谷五朗=安田新之助 撮影

記者:今上演するのがふさわしい作品とのことですが、もう少し具体的に教えてください。

岸谷:年代を設定して書いた本はこれだけなんですね。1868年という激動な体制の中、ある架空の民族がその中で揉まれ滅びていく。非常に魅力的な太陽のような笑顔を持つ少数民族が消えていくということを軸に、反戦を訴えられないかなというのがきっかけです。ミャンマーのロヒンギャという人々がバングラデシュに避難して、90万人以上の難民キャンプができているのですが、それがつい2年前のことなんです。そんなことがまだまだたくさんあるんですよね。実際に昨年の12月に難民キャンプを視察して、やっぱり『星の大地に降る涙』はやるべき作品だなと感じました。

 役者たちには、「今、この時に世界に向けて発信する作品で、演劇に力がないのではなくて、皆が集まって作品を創れば、それは大きな力になる」ということを最初に話しました。何より笑いの中にこのテーマがあり、明日お客さまが元気になれる作品です。観に来たお客さまが、明日も元気出してがんばって仕事しよう、学校に行こうと思ってもらえる非常に前向きになってもらえる作品です。

記者:新田さんへ。役者人生の中でどんな作品になりそうですか?

新田:役者をやっていく中でいろんな作品に出会ってきましたが、この作品でこれを学べた、できなかったことができるようになった、そう実感できることってそんなに多くないんですね。でも、『ZEROTOPIA』では、いろんなことが身に付いたと実感できたんです。それは五朗さんと寺さんが、役者である僕の可能性をいろいろ引き出してくださったから。だからこそ今回、成長する姿を見せたいんです。シャチ役をできるという、こんな夢のような話はないと思っていますので、さらに役者としてレベルアップできたら良いなと思っています。とりあえず今は稽古をがんばって、全力を尽くすだけですので、公演が終わった時に何か見えたら良いなと思います。

根底が一緒、離れられるはずがない

拡大左から、岸谷五朗、新田真剣佑、寺脇康文=安田新之助 撮影

記者:岸谷さん、寺脇さんへ。25年、続けてきた秘訣は何でしょう?

寺脇:なんでしょうねぇ……。まったく人間性は違うんですけれども、良いなと思うことが変わらず今も同じなんですよね。その根底が一緒なので、どうあろうが離れられるはずがないというか、二人が見ているエンターテインメントを創り続ける以外の道はないだろう、という感じですね。あとは僕、すごく好きなんです!

岸谷:僕も負けないぐらい好きです(笑)。ホント、あっという間です、25年。結成した時は、まだまっけんは生まれていないんだもんね。そんなに長くやってるのかと思うんですけれども、一瞬でした。考える余裕もないうちに25年経った感じですね。

記者:喧嘩する間もなく?

寺脇:はい、一回もないですね。前の劇団を入れると35年一緒にいますけどね!

拡大ダイワハウスSpecial 地球ゴージャス二十五周年祝祭公演 『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』

◆公演情報◆
ダイワハウスSpecial 地球ゴージャス二十五周年祝祭公演
『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』
東京:2020年3月13日(金)~4月13日(月) 舞浜アンフィシアター
大阪:2020年5月3日(日・祝)~5月14日(木) フェスティバルホール
公式ホームページ
公式Twitter
[スタッフ]
作・演出:岸谷五朗
演出補:寺脇康文
音楽:高木茂治、大崎聖二
主題歌:EXILE「愛すべき未来へ」
[出演]
新田真剣佑、笹本玲奈
松本利夫(EXILE)、湖月わたる、愛加あゆ、島ゆいか
森公美子
岸谷五朗・寺脇康文 ほか

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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