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認知症の日常を演劇に、町の人たちとつくる

高齢者、認知症と楽しく生きる俳優の覚え書き(6)

菅原直樹 俳優・介護福祉士

岡田さん自身の言葉がセリフに

拡大『よみちにひはくれない』公演のちらし
 じいちゃんは駅のロータリーで認知症の妻を探している。そこに、20年ぶりに和気に帰省してきた神崎という男が現れる。この役は僕が演じた。神崎はかつて子供だった頃、じいちゃんが営む洋服屋に入り浸っていた。

 神崎は、じいちゃんが妻を捜索していることを知ると、「え、警察には連絡したの?」と尋ねる。

 しかし、じいちゃんは「そんなことはせん。大ごとになるからな。何より、ふうが悪い(世間体が悪い)と答える。

 このセリフは、僕が書いたのではなく、奥さんを介護する岡田さんの自身の言葉だ。

 神崎は、介護を一人で抱え込んでしまっているじいちゃんの話に耳を傾け、「そしたら、ばあちゃん一緒に探すよ」と声をかける。やがてじいちゃんは妻への思いを打ち明けはじめる。

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筆者

菅原直樹

菅原直樹(すがわら・なおき) 俳優・介護福祉士

1983年宇都宮市生まれ。 「老いと演劇」OiBokkeShi主宰。 2010年より特別養護老人ホームの介護職員として勤務。12年、東日本大震災を機に岡山県に移住。認知症ケアに演劇的手法を活用した「老いと演劇のワークショップ」を全国各地で展開している。 18年度芸術選奨文部科学大臣賞新人賞(芸術振興部門)を受賞。

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