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美術館は休館しても困らないが……

 普通に考えると、すぐ休館できるのは美術館で働く学芸員や研究員、職員が全く困らないから。給与は通常通り払われるし、館が閉じていれば展示内容への問い合わせなど面倒な仕事がなくなってむしろラクチンだろう。日本の国公立美術館は、おおむね入場料やカタログ、グッズの収入は関係ない。それらは別枠で雑収入として計上されるため、入場者が少ないからといって翌年の予算が減らされることもない。国立館は「独立行政法人化」で入場料収入などが損益計算書に計上されるようになったが、その大半はマスコミとの共催展に頼っている。

兵庫県立美術館の臨時休館を知らせる掲示=2020年3月5日午後4時14分、神戸市中央区拡大臨時休館となった兵庫県立美術館=2020年3月5日、神戸市中央区

 長年展覧会の企画を担当した私から見たら、本当に困っているのは

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筆者

古賀太

古賀太(こが・ふとし) 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より日本大学芸術学部映画学科教授。専門は映画史と映画ビジネス。訳書に『魔術師メリエス――映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』(マドレーヌ・マルテット=メリエス著、フィルムアート社)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(岩本憲児編、森話社)など。個人ブログ「そして、人生も映画も続く」をほぼ毎日更新中。http://images2.cocolog-nifty.com/

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