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生粋の花男 新コンビ華優希と本拠お披露目/柚香光

【宝塚~朗らかに~】「はいからさんが通る」 再び当たり役へ

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・3月12日紙面(東京本社発行版)より】

拡大花組新トップとしての思いを語る柚香光(撮影・加藤哉)
 前トップ明日海りおからバトンを受け、花組を率いる新トップ柚香光(ゆずか・れい)が、再び“当たり役”に臨む。人気漫画を原作にした「ミュージカル浪漫 はいからさんが通る」。17年にも主演した代表作のひとつで、本拠地お披露目を迎える。兵庫・宝塚大劇場は20日以降に開幕(4月20日まで)の予定、東京宝塚劇場は5月8日~6月14日。(公演日程はいずれも予定)

 花組のリーダーに就いて初の本拠地作。求めた色紙には「花」と書き込んだ。

 「伝統の重さはすごく感じます。代々花組のトップさんが、どんな思いで引き継いでこられたのか。敬意を払っていきたい」

 今作は、17年に自身初の東上主演作になった舞台の再演。大劇場版としてブラッシュアップされる。「セリフは、わりときちんと…忘れていました」と笑う。相手役ヒロインも初演時と同じ。現在はトップ娘役に就く華優希だ。安心感と同時に、怖さもある。

 「経験値、知識が増え(役柄が)深まっていけばいいけど、逆にもともとあった華やかさ、勢いを消してしまう可能性もある」

 冷静さを保ち、客観視を心がけると、主人公に人間味を感じるようになった。

 「大和(和紀)先生が『優しいけれど、判断力と決断力の欠如』って書いていた。それをすごく感じる」。初演時は「少女マンガに出てくる王子様」の印象が強かった。今は「人間らしい未熟さ、弱さを感じ、より魅力的」と話す。

 1月に東京でトップ初主演作を終え、自身の言動ひとつで組の空気が変わると実感した。「みんなに誠実でありたい。よく見てくれているので、ちょっとした一言で誤解されることはあまりない」。花組は今年、柚香主演作と、瀬戸かずや主演「マスカレード・ホテル」に分かれて始まった。

 「簡単に言うと(柚香班は)運動系、(瀬戸班は)文化系。その2つが重なったときの相乗効果で、勢いのままいけたらと思っています」。自身の息抜き法も確立させつつある。

 「稽古中、ひたすらひとつひとつ、つぶしていく。課題を夢中でやっていると休日になり…。マッサージと、部屋の掃除でリフレッシュ。換気もして、胃に優しいもの作って。心を整理したいときは、部屋の掃除をすることが多い」

 花組出身で、今は雪組トップの望海風斗が退団を発表した。新人公演時代は、望海の役も演じてきた。

 「宝塚幼少期の私にとって、一番、後ろ姿を見ていた人。男役としての情熱を感じ、芸事、自分への厳しさも。男役たるもの、花組の男役たるもの-というものを教えていただいた。たいへんご恩のある方」

 就任あいさつに行くと「泣いて喜んで、廊下で抱きしめてくださった」と明かす。恩人は、柚香にバトンを渡した敬愛する明日海と同期。「幼少期は望海さんイズムを学び、青年期は明日海さん」と、両先輩へ感謝の念は尽きない。

 劇団最古の花組の男役を「花男(はなおとこ)」と言い、両先輩には「花男魂」がある。花組一筋でトップに就いた柚香は言う。

 「わたくし、花男しか知らないので…。でも、やはり『花男』という言葉に誇りと、自信を持っている生き物ですよね。花組の男役なんだぞ-という自負がとても強いのは大きな特徴」

 冷静な口調の中に、伝統を背負う決意がにじむ。生粋の「花男」が最初の1歩を刻む。【村上久美子】

◆ミュージカル浪漫「はいからさんが通る」(原作=大和和紀、脚本・演出=小柳奈穂子) 原作は、75~77年に「週刊少女フレンド」で連載された大和和紀氏の「はいからさんが通る」。大正時代の東京を舞台に、眉目秀麗で笑い上戸な陸軍少尉・伊集院忍と、「はいからさん」こと、女学生・花村紅緒が繰り広げる恋物語。78年にテレビアニメ化、その後も映画、ドラマ化。17年には劇場版アニメが公開され、宝塚でも、柚香と華のコンビで大阪、東京で舞台化。今回は宝塚大劇場、東京宝塚劇場に移し、バージョンアップして上演。柚香、華の新コンビ本拠お披露目でもある。

☆柚香光(ゆずか・れい)3月5日、東京都生まれ。09年入団。花組配属。14年2月「ラスト・タイクーン」で新人公演初主演。同6月「ノクターン」で宝塚バウホール初主演。15年台湾公演でオスカル。17年「はいからさんが通る」で外部初主演。昨年、東京で「花より男子」主演。同11月に花組トップ。今年1月、東京でトップ初主演作「ダンス・オリンピア」。身長171センチ。愛称「れい」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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