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自粛自粛……で、芸能はどうなるのか

新型コロナウイルス、確かな情報が得られない中で

玉川奈々福 浪曲師

 新型コロナウイルスの感染拡大で、イベント「自粛」を要請され、舞台で生きる人たちが苦境に立たされています。毎月、「ななふく浪曲旅日記」で、国内外への旅を通して発見したことや体験したことを、楽しく伝えてくれている浪曲師、玉川奈々福さんもその一人。公演予定はキャンセルが続き、3月21、22日に予定していた記念の会も……。政府は、はっきりした指針を示さないまま「自粛」を求め、舞台人は苦しい決断を迫られています。今回は、その渦中にいる胸の内をつづってもらいました。

口の中が苦い

 これを書いているのが、3月13日です。

 昨日、苦渋の決断をしました。入門25年の記念の独演会を、延期しました。

 ほんとうにぎりぎりまで悩みました。

 苦渋って、こういうことを言うんですね。本当に口の中を苦いものが流れる気がしました。

 だってね。お客様は待っていてくださったんです。

 私を気遣いつつも、いくつも届いたメッセージ。

 奈々福ちゃん、たのしみにしているようっ!

 成功を心から願っています。

 大きな拍手を送りに行きます。

 この暗い世界を照らしてください。

 こんなときに、私は明かりになりうるんだと思ったら、どんなに、どんなに応えたかったか。

 私は、万単位のお客様を相手にしている芸人ではありません。

 今回の独演会、480席×2日間=約1000人。

 ほぼ、ほぼ、お顔のよくわかるお馴染みのお客様が大半です。

 私のお客様はすばらしいんです。楽しくあたたかく、応援するココロを持って、浪花節に寄り添ってくださっている方々が、とっても多い。日頃から私は「お客様力」を、大尊敬している。

 だから、主催側が万全の対策をとれば、という思いもありました。

 しかし。

 本日WHOが出したパンデミック宣言。いまだ終息期と思える状況ではなく、無症状で陽性の人もいることを考えると、大事なお客様に安心してきていただける状況ではないと思いました。

拡大大相撲の春場所も無観客に。がらんとした会場で行われた、初日の幕内の土俵入り=2020年3月8日、大阪市

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筆者

玉川奈々福

玉川奈々福(たまがわ・ななふく) 浪曲師

横浜市生まれ。出版社の編集者だった94年、たまたま新聞で浪曲教室のお知らせを見て、三味線を習い始め、翌年、玉川福太郎に入門。01年に曲師から浪曲師に転じ、06年、玉川奈々福の名披露目をする。04年に師匠である福太郎の「徹底天保水滸伝」連続公演をプロデュースして大成功させて以来、数々の公演を企画し、浪曲の魅力を広めてきた。

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