2020年03月25日
前回は、たのきんトリオ以降の1980年代ジャニーズとして、シブがき隊、少年隊、そして光GENJIについて述べた。その流れのなかで、男性アイドルの歴史を塗り替えることになるSMAPが登場する。今回は、そのSMAPの結成からブレークまでを振り返ってみたい。
先輩グループのバックダンサーを務めながら経験を積み、ファンからも存在を認知されていくジャニーズJr.の仕組みについては改めて繰り返すまでもないだろう。そして光GENJIのバックで踊るJr.のなかには、2つのグループがあった。平家派とスケートボーイズである。
平家派には城島茂(TOKIO)や坂本昌行(V6)など現在もジャニーズで活躍するメンバー、また後に俳優・反町隆史として有名になる野口隆史も所属していた。ただこれもジャニーズの通例として、メンバー編成は固定されず流動的だった。その点はスケートボーイズも同様で、国分太一(TOKIO)などはスケートボーイズだけでなく、平家派のメンバーだった時期もあった。
だがそのうちスケートボーイズは、12人でアイドル雑誌などに登場するようになる。そうした際に使われていたのが、「SMAP時代のスケートボーイズ」というフレーズだった。
「SMAP」とは、「Sports Music Assemble People」の頭文字を並べたもの。「スポーツと音楽が人びとを結びつける」とも「スポーツと音楽で集う人びと」ともとれるが、いずれにしても光GENJIのローラースケートパフォーマンスを念頭に、“スポーツと音楽の融合”を次世代に継承しようという意図がうかがえる。
そして1988年、その「SMAP」をグループ名に冠したグループが結成される。メンバーはスケートボーイズとして活動していた中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、森且行、草彅剛、香取慎吾の6人。1972年生まれの中居と木村が高校1年生、稲垣と森が中学3年生、草彅が中学2年生、そして香取慎吾は小学6年生だった。
当初SMAPの売り出しかたは、当然ながら1980年代にジャニーズが復活した際の成功パターンを踏襲するものだった。
たとえば、森且行は1988年に放送された『3年B組金八先生』(TBSテレビ系)の第3シリーズに生徒の谷口健治役で出演している。タイトルバックの登校シーンでは、森はひとりだけスケートボードに乗って登場し目立っている。いうまでもなく歌手デビュー前の出演は、たのきんトリオの例にならったものだった。
また、同じく1988年にはグループ全員で主演を務めるテレビ東京の学園ドラマ『あぶない少年Ⅲ』が始まった。
ただ、SMAPのメンバーは本人役での出演。さらに合間にバラエティ的コーナーが挟まるなど、ドラマそのものよりもアイドル・SMAPの存在と魅力を世に知らしめることが優先されていた。同シリーズのパートⅠとⅡも似たようなテイストで、光GENJIの主演。それを見ても、後継グループとしての期待を担っての起用であった。
それ以降もSMAPの活動は多方面で展開された。
1989年にはグループでレギュラーを務めるバラエティ『アイドル共和国』(テレビ朝日系)がスタート。西武園ゆうえんちからの生放送で、光GENJIやJr.も出演していた。同年には、「SMAP」という名のドリンクが発売され、そのCMにも出演した。また1991年にはミュージカル『聖闘士星矢』出演もあった。
ソロでは、森且行が先陣を切った俳優としての活動も盛んだった。森に続き、稲垣吾郎はNHKの朝の連続テレビ小説『青春家族』(1989年放送)に出演、『さらば愛しのやくざ』(1990年公開)で映画初出演も果たした。中居正広、草彅剛、香取慎吾は揃って『時間ですよ 平成元年』(TBSテレビ系、1989年放送)に、さらに中居と稲垣はフジテレビの学園ドラマ『学校へ行こう!』(1991年放送)に出演した。一方、舞台からスタートしたのが木村拓哉である。1989年、唐十郎原作・蜷川幸雄演出の舞台『盲導犬』に出演。その後、『おとうと』(TBSテレビ系、1990年放送)などドラマにも進出していく。
こうしてみると、グループ単位での活動の一方で、メンバー個々の活動も目立つ。しかもグループでもソロでも、ドラマ、バラエティ、CM、映画、舞台と活動の幅は広い。たのきんトリオで復活して以来、シブがき隊、少年隊、光GENJIと続いたそれぞれ個性の異なるグループの成功が、ジャニーズグループの活動の選択肢をいっそう多彩なものにしたことが見て取れる。
そして1991年9月、満を持してSMAPは歌手デビューを迎える。こちらでも事前のプロモーションは
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