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新型コロナで若者が外出を自粛しないのは、大人たちのせいだ

様々な政治課題を先送りしたツケがいま回ってきた

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 新型コロナウイルスの感染が日本でも拡大しており、不要不急の外出を自粛するよう強く叫ばれるようになりました。それでも、街の様子を伝えるメディアやSNSの投稿を見ると、外出を自粛しない老若男女はまだかなり多いようです。

 ところが、若者を批判のターゲットにする報道や政治家の発言が後を絶ちません。紙媒体にもありますが特にテレビは酷く、「若者 コロナ」で検索すると、テレビ報道に対する不満の声がいくつもヒットします。自民党の三原じゅん子参議院議員もTwitterで「かなりの若者達が外出した」と発言し、多くの批判が寄せられています。

「外出自粛」要請が出た週末でも、JR秋葉原駅周辺では多くの人が行き交っていた=2020年3月28日「外出自粛」要請が出た週末でも、JR秋葉原駅周辺では多くの人が行き交っていた=2020年3月28日

関東大震災から変わらない「パニック時の差別」

 確かに、中高年層より若者のほうが概して行動範囲は広く、感染した状態で出歩くと感染を拡大させる可能性は高いかもしれません。ただし、あくまで中高年よりも可能性がいくぶん高いと推測できるだけでしょう。

 モデルでタレントの「みちょぱ(池田美優)」さんが、3月29日の「サンデージャポン」(TBS系)に出演し、「(外出しているのは)若者、若者って言われてるけど、テレビとかが外に出ている若者にインタビューしてるだけで結構、大人も出てる。すごく若者だけが悪いみたいに言われてるから、それはそれで私的には納得いかない」と話したようですが、本当にその通りです。

 若者をターゲットにして一部の中高年の溜飲を下げても、決して新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことはできません。関東大震災の際に起こった朝鮮人虐殺事件のように、危機下において差別は噴出しがちですが、マスメディアが積極的に大衆の差別心を煽るのは絶対にやめるべきでしょう。

お金さえあれば自粛したい

 不要不急の外出で、「密閉」した空間に「密集」し、「密接」に会話をするのは避けるべきです。しかし、若者に限らず「外出を自粛したくてもできない」人も多いのです。

 欧米諸国は続々と生活費支援のために「給付」や「補償」を決断しているにもかかわらず、日本政府は2020年4月1日現在でまだ何も決めていません。特に補償については首相自ら否定しています。ですから、テレワークが可能な職種の社員や、体力のある大企業勤務の社員を除いて、明日の生活費を稼ぐために外に出て働き続けなければならない人も多いのです。

 なお、先日私も「検察審査員」に選ばれて、会合に来るように通達がきました。出席辞退した場合、

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