林瑞絵(はやし・みずえ) フリーライター、映画ジャーナリスト
フリーライター、映画ジャーナリスト。1972年、札幌市生まれ。大学卒業後、映画宣伝業を経て渡仏。現在はパリに在住し、映画、子育て、旅行、フランスの文化・社会一般について執筆する。著書に『フランス映画どこへ行く――ヌーヴェル・ヴァーグから遠く離れて』(花伝社/「キネマ旬報映画本大賞2011」で第7位)、『パリの子育て・親育て』(花伝社)がある。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
日本の厚生労働省によると、新型コロナウイルスは感染から発症までの潜伏期間が1日から14日(多くは5日から6日)。感染しても無自覚な人が多く、発症しないまま人に感染させる可能性がある。さらに、飛沫感染も接触感染もするコロナウイルスは、感染力が大変強く、細心の注意を払っているはずの医師や感染症の専門家でも、感染する例が後を絶たない。実際、フランスでは医師の死亡のニュースが連日続く。アメリカでも感染症の専門医師がテレビ電話でテレビに出演し、「私に感染するくらいですから、誰にでも感染します」と危険性を訴えていた。
フランスは政府がウイルス感染拡大期に入った時に、はっきりと「今いる場所での自宅待機が原則」と、啓蒙するべきだったのだ。そして日本は今からでも、「大都市と人口の少ない地方への長距離間の移動は、不要不急なら原則禁止」にした方がよいのではないか。コロナウイルスの広がりは世界で時間差があるのだから、日本は他国の失敗の経験を積極的に学んでほしいと思う。
日本では小池百合子都知事が会見で「ロックダウン(都市封鎖)」という単語を使用し、「外出自粛」ではなく「外出禁止」の措置がにわかに現実味を帯びている。その際、いざ市民に自宅待機を要請する時は、単に「自宅待機」と伝えるだけでは、説明が足りない。「今いる場所での自宅待機が原則」とセットで伝えるべきなのだ。ちなみにノルウェーでは、すでにセカンドハウスに移動することは法律で禁止されており、違反者は1200ユーロ(約14万円)の罰金と禁固10日となっている。
ただし、フランスと日本では地理的要因も異なるため、日本の状況に合わせた調整は出てくるかもしれない。例えば、
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