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公演中止の先のあるもの、コロナ禍の演劇界で

小劇団のリアル、その後【下】

シライケイタ 劇団温泉ドラゴン代表、劇作家、演出家、俳優

3月28、29日:週末、踏み込んだ自粛要請、劇場の閉鎖 

 そして、翌28日と翌々日の29日の週末は、東京都から「不要不急の外出を控えるように」という、これまでよりも一歩踏み込んだ外出自粛要請が出されました。

 前日の話し合いで慎重論が出たこともあり、ゲストの健康を守らなくてはとの思いから、要請に従い我々の稽古も中止にしました。更にショッキングなことに、あれだけ「閉鎖はしない」と言っていた東京芸術劇場が、この2日間閉鎖しました。

 当然、その日に公演を予定していた団体の上演は中止になりましたし、我々の公演期間である次の週末、4月4日と5日も、同じように外出自粛要請が出されることが予想されていました。そうなると、やはり劇場が閉鎖されて、我々の公演も中止を余儀なくされます。

 翌30日は劇場入りの日でした。東京都の感染者の数は増え続け、イタリアの死者数は1万人を超え、志村けんさんの訃報が流れました。それでも予定通りセットを仕込み、照明を吊り、楽屋を作りました。

 僕は仕込みを中抜けし、演劇人の仲間と一緒に内閣府と文化庁に「舞台関係者に対する適切な補填を求める要望書」を提出しに行き、その足で記者会見にも参加しました。

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筆者

シライケイタ

シライケイタ(しらい・けいた) 劇団温泉ドラゴン代表、劇作家、演出家、俳優

桐朋学園芸術短期大学演劇専攻在学中に、蜷川幸雄演出「ロミオとジュリエット」パリス役に抜擢され俳優デビュー。数々の舞台やテレビ、CMに出演。2011年より劇作と演出を開始。劇団温泉ドラゴンの座付き作家・演出家として数々の作品を発表。劇団以外での演出や脚本提供も多く、アングラ劇団から老舗の新劇団まで多様な作風に対応する演出の幅の広さを持つ。社会における人間存在の在り方を、劇場空間における俳優の肉体を通して表出させる演出手法に定評があり、生と死を見つめた骨太な作品作りが特徴。「若手演出家コンクール2013」において、優秀賞と観客賞を受賞。15年、作・演出・出演した『BIRTH』の韓国ツアーを成功させ、密陽(ミリャン)演劇祭で戯曲賞を受賞した。18年『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(若松プロダクション)と『袴垂れはどこだ』(劇団俳小)の演出で、第25回読売演劇大賞「杉村春子賞」を受賞。 日本演出者協会常務理事。日韓演劇交流センター理事。日本劇作家協会会員。18年度より、セゾン文化財団シニアフェロー。 桐朋学園芸術短期大学、非常勤講師。桜美林大学芸術文化学群、非常勤講師。 著書に『BIRTH×SCRAP』(19年)がある。

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