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中川晃教がオリジナルミュージカル主演/下

惣領冬実原作の『チェーザレ 破壊の創造者』を舞台化

大原薫 演劇ライター

中川晃教がオリジナルミュージカル主演/上 

※ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』は全公演中止になりましたが、中川晃教さんのこの作品にかける思いをお伝えさせていただきます。

創り上げることは、明治座の歴史が教えてくれた

――中川さんは以前、明治座で上演された舞台『銀河鉄道999』に星野鉄郎役で出演されていますね。今回、明治座から新たにオリジナルミュージカルを発信するということについてはどうお考えですか?

 僕は明治座にオーケストラピットがあったことを知らなかったんですよ。でも、僕だけじゃなくて相当な数の方が知らなかったかもしれない。舞台に立つ人間が劇場の歴史やポテンシャルを知りながら、新たな風を吹かせることで、今までの明治座のお客さまの層に加えて新たな層に向けても発信していくことができるんじゃないかと思うんです。今、お陰様でミュージカルが多くの方の力でいろいろな方たちに届くようになってきた。そこには、僕一人の力ではなく、関わっているみんなの共感する思いがあると思うんです。

 その中でもオリジナルミュージカルを作り、明治座という劇場が発信するというのはとても素晴らしいことだなと思います。この『チェーザレ 破壊の創造者』は出演するキャストの座組を見ても「本気だな」とお分かりいただけると思う。明治座が時代とともに新しいことに挑戦する過程でミュージカルに行きついた。そこに歴史を感じたんです。

拡大中川晃教=宮川舞子 撮影

――明治座は140年の歴史がありますから。

 僕は出会いが大切だなと思っていて。『銀河鉄道999』や由紀さおりさんの芸能生活50周年記念公演のゲスト、その他コンサートをやらせていただいて、ご縁が今まであったんですね。明治座がこれまで素晴らしい芸能、芸術を妥協せずに作り上げてきた誠実さを感じますし、その舞台に立つことで自分も一回一回何かに挑戦したいと思ったし、何かを発見したいと思いました。

――どんな発見でしょうか。

 今は新型コロナウイルス感染症の問題が大変な時期ですが、何か問題が起きると落胆してしまうし、誰かと傷を癒し合って辛さを分かち合いたいという気持ちにもなります。でも、同時に「今、自分が何をやらなくちゃいけないんだろう」「この時間をポジティブに利用するにはどうしたらいいんだろう」と自分の気持ちを切り替えることで、変わることもあるんだなって。最後は自分なんだけれど、同じ志を持っていたり「あ、そうだね」と思える人と出会ったり。そういう場にいることで、自分が楽になるし「あ、間違っていないんだ、頑張ろう」という気持ちになれるんです。

 明治座の仕事で大変なことがあっても、やり終えた後に強くなった気がする。舞台に立つこと、創り上げていくということ。それは明治座のこれまでの歴史が教えてくれたことなんだなと思います。『チェーザレ 破壊の創造者』をいよいよ立ち上げるとなった今、正直肩の荷が重いですよ(笑)。でも、チェーザレという人物を作り上げると同時にオリジナルミュージカルを立ち上げる。これだけの素晴らしいキャストの皆さんのポテンシャルが輝いて、今まで見たこともないミュージカルが生まれていくんじゃないかと思います。

拡大中川晃教=宮川舞子 撮影

――話が変わりますが、中川さんの東京文化会館でのコンサート(2月29日)がコロナウイルス感染症対策として中止または延期になったとき、インターネットでライブをされましたね。

 今回の公演延期・中止がきっかけで、自分で言葉を発信しましたが、ツイッターであれ生の舞台であれ言葉を発信する意味や責任を考えると正直怖いなと思うんです。軽率なことを言ってしまいそうな自分が現れたらどうしようと思うし、本心じゃなくてもだれかを傷つけることを言うのは自分の望んでいるところではないので。

 自分が表に出て行って、自分の責任で自分の役割を全うする以上は何かを信じていなければできないことだなと思ったんです。それは何だろうと思ったら「あ、ファンの方たちだな」と。こういうことが起こらなければ公言しなかったことかもしれません。なぜなら、僕のファンじゃない方もいるから(笑)。でも、僕が信じているものが何か純粋に考えたときに、「ファンの方たちが大切だ」という思いになって、インターネットライブをやったんです。

◆公演情報◆
ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』
原作:惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』(講談社「モーニング」連載)
原作監修:原基晶
公式ホームページ
公式ツィッター
 
〈中川晃教プロフィル〉
 2001年、自身が作詞作曲をした「I WILL GET YOUR KISS」でデビュー。同曲にて第34回日本有線大賞新人賞を受賞。翌年、日本初演となるミュージカル『モーツァルト!』の主役に抜擢される。以降音楽活動と並行し、俳優としても活動を開始。出演のみならず楽曲提供という形でも携わっている作品多数。2016年に主演を務めたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』で、第24回読売演劇大賞最優秀男優賞、第42回菊田一夫演劇賞を受賞。7月にミュージカル『ジャージー・ボーイズ』、11月にミュージカル『ビューティフル』への出演が決まっている他、9~10月に全国10箇所11公演のライブツアーを予定している。
中川晃教オフィシャルサイト

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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