勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
点数の低い指導者を選ぶのは「辞め時」だ
ではここで指導者たちを実際に評価してみたいと思います。
まず、(5)「決断の迅速さや問題が起こる前の予防的行動」の科目で最も高い点数を獲得したのは、やはり事前に感染爆発を抑え込んだ台湾の蔡英文総統や、2020年4月7日現在で死者1名に抑え、8日には「危機は脱しつつある」と宣言したニュージーランドのアーダーン首相でしょう。一部で感染爆発を引き起こしたものの、スピーディーな対策でその後の抑え込みに成功している韓国の文在寅大統領等も続くと思います。
(4)「適切な人材活用や組織体制構築」でも台湾は圧倒的です。陳建仁副総統や唐鳳IT担当大臣の活躍が日本のメディアでも伝えられていますが、素人の国会議員から論功行賞を中心に大臣を選ぶ日本とは異なり、日頃から大臣等の要職に官民のプロフェッショナル人材を登用するシステムを構築した成果が出ていると言えます。
また、感染の拡大が続く欧米諸国でも、指導者たちは軒並み支持率を上昇させていますが、それは(3)「一貫性や公正さの実現」と(6)「パブリックコミュニケーション」の科目における高得点が、大きく影響していると考えられます。
とりわけ、パブリックコミュニケーションの様子はインターネットを通じて日本からもよく見えます。彼らは国民が求める情報をしっかりと開示したり、毎日のように国民に語りかけたり、記者会見での質問に徹底的に応え、国民の不安を払拭するよう全力を尽くしたりする姿に支持が集まっているように思うのです。
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