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日本の「語り芸」、なんて多彩で、豊か!

コロナ禍で浪曲の仕事はゼロ、それなら記録のまとめに集中だぁ!

玉川奈々福 浪曲師

豊かな「語り芸」に触れるぜいたく

 日本という国は、不思議なほどに、いまに続いている伝統芸能が多いです。

 歌舞伎も文楽も落語も講談も浪曲も、たとえば東京で「今日聞きたい!」と思ったら、見られる、聞ける状況にある(平常時は、ね)。

 数々伝統芸能はありますが、なかでもとりわけ、「語り芸」が多いです。

 視覚優位の現代で、聴く力、想像する力を要する芸が、日本ではかほど多様に受け継がれ、現代に生きています。

 今聞きうる語り芸の、第一人者をお招きし、実演を聞きつつ、それぞれの芸がどのような土壌から生まれ、どんな特色を持ち、担ったのは、享受したのはどういう人々であるのかを伺い、多様な語り芸それぞれの特質を、浮かび上がらせてみよう!

 ……という主旨のもとに、2017年4月から2018年2月にかけて、全11回、以下のような内容で、東京都江東区の亀戸文化センターにて開催しました。な~つかし~!

日本芸能総論(2017年4月17日)
 篠田正浩(映画監督)

節談説教(5月26日)
 廣陵兼純(説教師・満覚寺住職)
 釈徹宗(相愛大学教授・如来寺住職)

説経祭文+ごぜ唄(6月14日)
 渡部八太夫(説経祭文)
 萱森直子(ごぜ唄)

義太夫節(8月15日)
 豊竹呂勢太夫(人形浄瑠璃文楽太夫)
拡大講談の神田愛山(左)、旭堂南海
 鶴澤藤蔵(三味線)
 児玉竜一(早稲田大学教授)

講談(8月25日)
 神田愛山(講談師・東京)
 旭堂南海(講談師・上方)

女流義太夫(9月26日)
拡大義太夫の竹本駒之助
 竹本駒之助(浄瑠璃・人間国宝)
 鶴澤寛也(三味線)
 児玉竜一(早稲田大学教授)

能楽(10月30日)
 安田登(下掛宝生流ワキ方)
 槻宅聡(森田流笛方)

拡大浪曲の澤孝子
上方落語(11月15日)
 桂九雀(上方落語)
 小佐田定雄(落語作家)


浪曲(12月18日)
 澤孝子(浪曲師 曲師:佐藤貴美江)
 玉川奈々福(浪曲師 曲師:沢村豊子)
 稲田和浩(浪曲作家)


江戸落語は「語り芸」か?(2018年1月29日)
 三遊亭萬橘(落語家)
 和田尚久(演芸研究家)


語りの芸の来し方、これから(2月19日)
 安田登(能楽師)
 いとうせいこう(作家)

 いま思い返して、すごい企画でした。

 この出演者の豪華さを、ご理解いただける、でしょうか。

 初回からすごかった。

拡大第1回のゲスト、篠田正浩=御堂義乗撮影

 映画監督の篠田正浩さんのお話は圧巻で、日本の芸能の、深い深い泉の淵から底をのぞきこんで、おののくような気がしたものでした。定員80名の狭い空間で、実演については生声を聞く形でやりましたので、贅沢きわまりなかったです。 

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筆者

玉川奈々福

玉川奈々福(たまがわ・ななふく) 浪曲師

横浜市生まれ。出版社の編集者だった94年、たまたま新聞で浪曲教室のお知らせを見て、三味線を習い始め、翌年、玉川福太郎に入門。01年に曲師から浪曲師に転じ、06年、玉川奈々福の名披露目をする。04年に師匠である福太郎の「徹底天保水滸伝」連続公演をプロデュースして大成功させて以来、数々の公演を企画し、浪曲の魅力を広めてきた。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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