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退団目前専科スター奇跡的22年の思い/華形ひかる

【宝塚~朗らかに~】男役集大成 ここだけの時間の流れが好き

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・4月12日紙面(東京本社発行版)より】 

拡大退団公演への思いを語る華形ひかる(撮影・上山淳一)
 5月3日付で退団予定だった専科スター華形ひかるが、入団22年を締めくくる前にインタビューに応じた。同日、東京宝塚劇場での、星組公演「眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~」「Ray ―星の光線―」の千秋楽が最後の公演のはずだったが、新型コロナウイルス禍により宝塚歌劇団の公演は6月末まで中止に。日程は見直しとなった。

 同公演は礼真琴、舞空瞳の星組新トップコンビ本拠お披露目。宝塚公演は感染対策で中止もあったが、3月9日の千秋楽は上演された。男らしさを極めてきた華形は、主人公の敵役となる将軍の設定に「野太い声」で臨んだ。役作りでは「耳」を大切に、声を変え演じ分ける。「大劇場ともなれば、2階の端からだと、ひげがあるかどうかも分からない。まず耳から。今回は野太くて、地に響くような声。力で屈服させていくような」。

 サイン色紙に「心」と書き込んだ。「22年目の春が終わります。長かったですよ。退団はいろんな考えがある中での1つの道。『こうしたい』と思うことを最後に選んだ」。昨年の前星組トップ紅ゆずるのサヨナラ公演出演中に、退団を決めた。

 宝塚人生を振り返り「やってきたのは全部、本当に自分かな? と最近思う」。集中し過ぎ、役が日常を侵食する「ヤドカリ状態」も経験。「同じ男性でもフォルムも歩き方も違う。『人』を作るから、歩き方や声色も変わる。役に染まりながら生きているので、私生活にまで出ちゃう」。

 退団後は「芸能活動は多分やらないと思う。今の気持ちは、男役が好きで突き詰めたいと思ってきた。女優さんに、あんまり興味は…。男役は、ここにしかない。伝統に進化、時代、流行もある。宝塚を知らない人たちには、私たちが滑稽に映る面もあると思う。でも、それを『是』とする世界観、ここだけの時間の流れが好きです」。大好きな男役、宝塚へ思いを胸に、夢の国に別れを告げる。

◆幻想歌舞録「眩耀の谷 ~舞い降りた新星~」(作・演出・振付=謝珠栄) 紀元前の中国大陸が舞台。西方からきた流浪の民「汶族」は、神「瑠璃瑠(るりる)」の使いに導かれ、亜里(あり)という地にたどり着き、小国「汶」を築く。だが、勢力拡大の周国に首領を討たれ、統治下に。この地に新しく大夫として赴任した丹礼真を中心に描く歴史ファンタジー。

◆Show Stars「Ray -星の光線-」(作・演出=中村一徳) 光、光線、熱線を意味するRay。新コンビの本拠お披露目ショーには、華形も多くの場面で出演。

☆華形ひかる(はながた・ひかる)9月26日、東京都中野区生まれ。99年入団。花組配属。新人公演は最終学年の05年「落陽のパレルモ」で初主演。09年「フィフティ・フィフティ」で宝塚バウホール(ダブル)主演。14年7月に専科へ。各組へ出演し、18年の落語を題材にした「ANOTHER WORLD」では、貧乏神を好演した。身長168センチ。愛称「みつる」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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