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新型コロナ、舞台、映画の危機は一刻を争う

収入ゼロも、現場から悲痛な声、関係者は声をあげた

馬奈木厳太郎 弁護士

「小劇場のリアル」に呼応、広がった署名活動

 新型コロナウイルスによって劇場や映画館が次々と閉鎖され、文化の危機感が高まっています。関係者らが、支援を求めるキャンペーンを広げ、私も呼びかけ人として参加しています。

 3月11日、「論座」にアップされたシライケイタ氏の寄稿「新型コロナで自粛続く演劇界、小劇団のリアル」 を読み、私は居ても立ってもいられず、彼に電話をしました。

 「演劇を、そして演劇関係者を守るために、何かしないといけないのではないか?」――私はそう呼びかけ、彼は全面的に同意してくれました。

 翌日、何ができるのか、何をしないといけないのか、話し合いを始めました。「若い世代が呼びかけた方が上の世代にも下の世代にも反響があるのではないか」「劇作家や演出家だけでなく、広く舞台にかかわる人たちに賛同してもらったらどうか」など意見を交換し、10人(名前は後述する要請書に記載)の呼びかけ人が決まり、グループLINEや電話会議で連日準備を進め、3月20日、署名の取り組みが立ちあがりました。

 2月26日、安倍首相は、新型コロナウィルス感染症対策本部の会議において、「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請する」と発言しました。

 この自粛要請は、法的根拠や強制力を伴うものではありませんが、多くの劇場や劇団・楽団などが予定していた公演を中止せざるを得なくなりました。要請した政府からは、補償などの方針は何も示されていません。とはいえ、観客や関係者に感染者が出てはいけないと、安全を最優先に考え、苦渋の思いで中止としたのです。

 そして、この自粛期間はどんどん伸びてゆきました。

 多くの舞台芸術関係者が、経済的損失をこうむり、いまもこうむり続けています。経済的に力の弱い小規模な劇団・楽団が多く、存立そのものが危うくなっているところもあります。こうした状況下にあって、自粛を要請するなら補償(補填)もワンセットでという、ごくごく当たり前の想いから、私たちは政府に対して補償(補填)を求めることにしました。3月20日の呼びかけから、わずか10日間で1800名を超える舞台芸術関係者の賛同が集まりました。

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筆者

馬奈木厳太郎

馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう) 弁護士

1975年生まれ。大学専任講師(憲法学)を経て現職。 福島原発事故の被害救済訴訟に携わるほか、演劇・映画界の#Me Tooやパワハラ問題などにも取り組む。 ドキュメンタリー映画では『大地を受け継ぐ』(井上淳一監督、15年)の企画、『誰がために憲法はある』(井上淳一監督、19年)の製作、『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』(平良いずみ監督、20年)の製作協力、『わたしは分断を許さない』(堀潤監督、20年)のプロデューサーを務めた。演劇では燐光群『憲法くん』(坂手洋二台本・演出、19年)を監修した。

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