鶴田智(つるた・さとし) 朝日新聞社財務本部グループ財務部主査
1984年朝日新聞社入社。地域面編集センター次長、CSR推進部企画委員、「声」欄デスク、校閲センター記者を務める。古典芸能にひかれ、歌舞伎はよく観劇、落語は面白そうだと思えばできるだけ見に行く。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
トーキョー落語かいわい【4】寄席も落語会も中止。「巣ごもり」のファンに笑いを
「第一夜」の21日は、始まる数時間も前から一之輔チャンネルには待ちきれない一之輔ファン、落語ファンが待機しました。第一夜の配信を視聴した人は1万3000人にのぼりました。
午後8時10分。着物を着て座布団に座り、話し始める一之輔。おとっつあんに息子の金坊(きんぼう)が、天神様詣でで「あれ買って、これ買って」とねだる「初天神」……と、思いきや。え?なに、なんで大岡越前守が出てくるの?と大岡政談に変化していく「団子屋政談」の一席でした。
一之輔自身が噺(はなし)の途中で、「途中まで古典落語なんですけど、途中から僕がこさえた」と解説をはさんでくれた改作です。
まくらを含め、たっぷり1時間。まさに一之輔ワールド全開のライブ。
チャットには、配信を見ながらファンが書き込みに次ぐ書き込みの嵐。「ライブは良いなあ」「このご時世、落語ぴったり」と喜ぶ声があれば、噺の推移に合わせて「飴(あめ)屋出た」「団子屋きた!」と反応する声もあり。ほんと、止まりません。
「寄席行きたい」という、やるせない書き込みもありました。
終了後は、「すごく楽しかった」「明日も楽しみにしてます」などなど、大喜びの反応が次々と投稿されました。
一之輔は第一夜の前、自ら語る「寄席入門(前後編)」をユーチューブに用意しました。寄席のプログラム構成の仕組みまで、わかりやすく解説してくれます。これを見ているうちに、ライブ配信が楽しみになった人も多いのでは?
「第二夜」の22日も、時間通りにスタート。この日も1時間近い口演です。演目は「粗忽の釘」。引っ越した先の長屋で、ほうきをかける釘を打ったものの……という噺。約1万2000人が視聴しました。
前日の書き込みに、「笑い声が恋しい……」とありました。無観客なので仕方ありません。でも、2日目はスタッフの笑い声が、時々、前日よりちょっといい感じで画面の向こうから聞こえてきたような気が……。チャットも前日に続き、いい評価のコメントであふれました。
「第三夜」の23日は