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「コロナ風俗嬢」発言の岡村隆史氏に、正しい“謝罪”と責任を取る機会を

望まぬセックスワーカー問題の解決の旗振り役になって欲しい

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

岡村氏は自分の「罪」を理解しているのか

 同様に、「不快にさせて申し訳ございません」という謝り方も、「Non-apology apology」です。今回の岡村氏の「罪」は、繰り返しになりますが、女性の貧困化を期待する発言、望まずしてセックスワーカーになった女性への性的搾取を扇動するような発言、この2点にあると思います。

 ところが、2時間の番組を聞いても、「理解や想像力を欠く発言」と言い表してはいたものの、それらの「罪」については明確な言及がありませんでした。番組に飛び入りしたナイナイの相方である矢部浩之氏が「男尊女卑」「女性軽視」というワードを発した場面はありましたが、岡村氏の口から、自分の発言がそれにあたると認めた言葉はなかったのです。

 「甘えだ」「情けないです」「自分の至らなさ」等の自責の言葉が多く、自分のした罪が何だったのかをしっかりと認識できていないという印象です。この点を改めなければ、謝罪を要求する声が収まることはないでしょう。

岡村氏主演のNHK教養番組の降板署名は妥当か

 ただし、仮にしっかりと謝罪をしても、それで済む話ではありません。著名人や大企業の経営者のような影響力のある人物が、少数派や社会的弱者に対して差別したり中傷したりする発言をすれば、謝罪だけではそれらが社会で拡大することに歯止めがかからないからです。そのため、何らかの責任を取ることで、マイナスの影響を最小限に食い止めるエコシステムが機能することが不可欠です。

 どの程度の責任を取るべきかは、人により意見が分かれるところでしょう。たとえば、一般社団法人Voice Up Japanは、岡村氏が出演する教養バラエティー番組「チコちゃんに叱られる!」(NHK)の降板及び謝罪を求める署名活動を立ち上げて、既に1万4000人(5月5日現在)以上が署名しています。

「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんと岡村隆史さん=NHK提供拡大「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんと岡村隆史さん=NHK提供

 それに対して、「私刑だ」「やり過ぎだ」「すでに謝っているじゃないか」という否定的な声がネット上で噴出しています。確かに

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

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