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「ウイルス対人類」の二項対立を超えた場所へ

静岡「くものうえ」演劇祭を通して考えたこと(下)

宮城聰 演出家、SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督

「新型コロナ 対 全人類」という図式でいいのか

拡大Zoomで対話するワジディ・ムアワッド(左)と宮城聰

 コロナ禍の進行に伴い、国と国の壁がひどく高くなり、国をまたぐ移動が極めて困難になりました。一国の中でも地域間の移動が減り、国民・住民は、自国・自地域は他に勝(まさ)ってると思いたいがために「強いリーダー」を欲し、統治者もそこに乗じて地域ナショナリズムを煽(あお)り、支持を盤石にしようとしています。実際、アジアのいくつもの国でその統治者のふるまいは成功を収めています。

 「新型コロナという共通の敵」と闘うには世界が手を結ばねばならない、と誰もが思っているはずなのに、実際には「コロナ後の覇権を狙った他国援助」のような動きばかりが目について、本物の「国境を超えた連帯」は見えてこない。

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筆者

宮城聰

宮城聰(みやぎ・さとし) 演出家、SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督

1959年東京生まれ。90年ク・ナウカを旗揚げし、国際的に活動。2007年4月、SPAC芸術総監督に就任。古典から現代作品まで幅広く演出するのと並行して、世界各地から優れた作品を招き、劇場を「世界を見る窓」としている。14年7月、フランス・アヴィニョン演劇祭に招かれて『マハーバーラタ』を上演、17年には『アンティゴネ』で、アジアの劇団として初めて、同演劇祭の開幕を飾った。04年第3回朝日舞台芸術賞、05年第2回アサヒビール芸術賞、17年度芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)を受賞。19年フランスの芸術文化勲章「シュヴァリエ」を受けた。18年から東京芸術祭総合ディレクターも務める。

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