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木村花さんの死にも懲りない、批判と誹謗中傷の違いが分からない人たち

「言葉のカスタマイズ」による誹謗中傷の自己正当化

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 ネットフリックス、フジテレビ系で放送中の『テラスハウス』に出演していたプロレスラー・木村花さんが、2020年5月23日に死去したと報じられました。

 死因はまだ不明ですが、インターネット上で多数の誹謗中傷を受けたことに悩み、リストカットをしたと思われる画像とともに、自殺をほのめかすような投稿(その後、削除)をしていることから、「指殺人(ゆびさつじん)」(スマホやパソコンから投稿した誹謗中傷で自殺に追いやること)による死と見られています。

 昨年2019年は、韓国でアイドルグループ「f(X)」の元メンバーであるソルリさんや、アイドルグループ「KARA」の元メンバーであるク・ハラさんも、たび重なる誹謗中傷に悩んだあげく命を絶ってしまいましたが、日本でも指殺人の悲劇が起きてしまった可能性が高いのです。

KARAで活躍していた当時、アルバム発表会に出席したク・ハラさん=2015年5月、東亜日報提供拡大KARAで活躍していた当時のク・ハラさん=2015年5月、東亜日報提供

誹謗中傷の加害者を責めずに被害者を責めるのも誹謗中傷

 これを受けて、これまで誹謗中傷に耐えてきた多くの著名人が声を上げました。「誹謗中傷を気にするな、なんて難しいよ。芸能人だって1人の人間。忘れないで」(きゃりーぱみゅぱみゅさん)、や「芸能人も人間だよ」(藤田ニコルさん)等、多くの著名人が、日頃から誹謗中傷に悩まされている旨を告白したのです。その結果、「誹謗中傷」という単語を含む投稿は130万件以上になったそうです。

 もちろん、一般人も誹謗中傷に遭うことは多々あり、それも決して許してはならないことです。ですが、著名人に対しては特に「表に出る仕事を自分で選んだのだから誹謗中傷も覚悟せよ」「それが嫌ならお前がSNSをやめればよいだけ」「怒るのは子供。うまく受け流すのが神対応」のようなことがさも当たり前のように言われます。

 ですが、それはVictim Blaming(被害者叩き)です。誹謗中傷した相手を責めるのではなく、された相手を責めることは、それ自体も誹謗中傷と言えるでしょう。

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

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