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【8】「本屋はぼくの学校だった」

ぼくたちは、世界には言葉がもっともっと豊穣にあることに気づかねばならない

福嶋聡 ジュンク堂書店難波店店長

大声で発せられる浮遊する「言葉」に支配されないために

 今週はじめに出た『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』(河出書房新社)の中で、寄稿者の一人大澤真幸さんは、次のように書いています。

 〝人民には、自分の欲望や意志についての自覚はない。人民は自分が何者なのか、何を欲する者なのかわかっていないわけです。人民は、自分たちを透明に代表してくれている――かのように見える――指導者を通じて、初めて自分の欲望や意志を自覚するのです〟(P26)

 これが、民主主義⇒全体主義という、一見相容れないものへの移行のメカニズムです。いわば、人々は、「皆さんを代表している、皆さんの声を代弁する」と僭称する者の欲望に、簡単に同化されてしまいがちなのです。たとえば、橋下徹が

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筆者

福嶋聡

福嶋聡(ふくしま・あきら) ジュンク堂書店難波店店長

1959年生まれ。京都大学文学部哲学科卒。1982年、ジュンク堂書店入社。サンパル店(神戸)、京都店、仙台店、池袋本店などを経て、現在、難波店店長。著書に『希望の書店論』(人文書院)、『劇場としての書店』(新評論)など。

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