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東京五輪は中止して、経費をコロナ禍対策に回すべきである

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

スポンサー収入も減る

 おそらくより深刻なのは、新型コロナウイルス禍によるスポンサーの疲弊である。大会組織委員会の第4次予算(バージョン4、2019年12月)で言えば、スポンサー収入として、入場料売り上げ収入の4.5倍の4040億円(収入計6300億円のおよそ3分の2)が見こまれている(東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト)。

 だがこの間、急激な景気後退下で打撃を受けた企業は少なくない。例えば老舗衣料メーカーのレナウンが民事再生法適用を申請したが、全般的な企業業績の悪化は各種の指標から十分に推測できる。こうした企業がスポンサーだった場合、五輪開催の1年延長にあわせて来年も引きつづき出資するかどうかは、予断を許さない(ロイター東京発 2020年3月27日付)。

 そればかりか、2020年の契約金さえ払えないかもしれない。

 例えば東京五輪の「TOPパートナー」(=ワールドワイドオリンピック・パラリンピックパートナー「世界規模の五輪協力者」)であるトヨタ自動車。そのトヨタは、新型コロナウイルス禍の影響で2021年3月期の営業利益はほぼ79.5%減となるという予想を発表している(朝日新聞2020年5月13日付)。トヨタは2015年からTOPパートナーだというが(東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト)、こうした厳しい予想の下で、2020年のスポンサー料を本当に支払える(支払えた)のかどうか。

トヨタ自動車の決算説明会。ネットでの会見で豊田章男社長は「新しい未来への種まきはアクセルを踏み続ける」と語った=2020年5月12日拡大トヨタ自動車の決算説明会で会見する豊田章男社長=2020年5月12日

 「東京2020スポンサー」

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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