鶴田智(つるた・さとし) 朝日新聞社財務本部グループ財務部主査
1984年朝日新聞社入社。地域面編集センター次長、CSR推進部企画委員、「声」欄デスク、校閲センター記者を務める。古典芸能にひかれ、歌舞伎はよく観劇、落語は面白そうだと思えばできるだけ見に行く。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
トーキョー落語かいわい【5】定期公演50回以上、継続は力でファンも広がり
寄席や落語会で女性落語家の姿が増えてきました。真打ちが何人もいるし、活躍が目立つようにもなってきています。女性落語家の高座の、男性とはまた違う味わいを楽しみにしている人たちもいます。
緊急事態宣言が解除され、6月に入って定席の寄席は入場制限つきながら一部再開しました。とはいえ、見に行く時はまだ、新型コロナウイルスを警戒しながらです。のびのびとなんの気兼ねもなく寄席や落語会に行ける日は一体、いつ来ることやら。
でもね、嘆いてばかりいてもしょうがない。今回はその日を夢見て、女性落語家のお話とまいりましょうか。
イベントの自粛要請などがまだ出ていなかった今年2月1日、東京・中央区の月島社会教育会館(定員240人)で、女性落語家が集う大きな落語会が開かれました。「落語ガールズスペシャル」です。
「落語ガールズ」は、東京にある落語家の団体の枠を越え、2017年秋に結成された女性落語家のグループです。女性がいない円楽一門会を除く、落語協会、落語芸術協会、落語立川流の3団体に所属する女性落語家の若手が集まりました。この日の落語会は結成2周年を記念する「スペシャル」。
3団体を横断し、東京の女性落語家のざっと三分の一が参加している計算です。落語家全体から見ると少人数ですが、こう数えるとけっこうな存在感です。落語といえば男が語るもの。そんな既成概念との闘いを乗り越えて奮闘している彼女たちからは、団結のパワーを感じます。
「落語ガールズ」の現在のメンバーは次の13人です。
▽落語協会 川柳つくし、林家ぼたん、古今亭駒子、三遊亭美るく、林家扇、柳家花ごめ、林家あんこ、春風亭一花
▽落語芸術協会 春雨や風子、三遊亭遊かり、三遊亭遊七
▽落語立川流 立川こはる、立川だん子
昼夜2部制で開かれた2月1日の「スペシャル」には、メンバーのうち8人が出演。昼の部は、扇、風子、美るく、つくし、夜の部は、遊かり、花ごめ、駒子、ぼたん。各人による古典、新作の高座のほか、出演者たちが顔をそろえるにぎやかな大喜利もあり、さらに、人気漫才師のナイツ(昼の部)や、テレビの「笑点」の司会でもおなじみの春風亭昇太(夜の部)をゲストに迎え、大いに盛り上がりました。
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