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なぜ西洋音楽のリズム表記は4分の4拍子?

 「韓国のリズムの特有性は何?」

 この質問が一番多いかな。

拡大チャングとテグム演奏
 高校、大学での私の専攻は、テグムという大きな横笛。けど日本に居た幼い時から、チャングという両面太鼓を得意とし演奏していた私は、今でも韓国ではチャング奏者で名が通っている。

 そのチャングのリズムは多様だ。4分の4拍子だけではなく、8分の12拍子や、8分の5拍子、8分の10拍子、もしくは8分の36拍子などがあったりする。

 皆さんが普段良く耳にする、POPSや歌謡、バラード、ラップなどは、主に4分の4拍子でできている。たまに出てきても4分の3拍子や8分の6拍子。

 ちょっと待って! 4分の!とか、8分の!とかって何ですか?

 はいはい。大丈夫ですよ。

 要は音楽の一小節の中が、何個の音符で構成されているかってことです。例えば、

拡大

 皆さんご存知のクイーンの ‘We Will Rock You’です。

 こういう風に、4拍子で構成されてます。早さはBPM82くらいでしょう。(音楽においてBPMはBeats Per Minuteを意味する。1分間の拍数を表します。つまり人間の脈の測定方と似ている)

 こういう風に、だいたいの音楽が4分の4拍子。1小節が4つに分けられている(四分音符が四つ)。なので、数学の4/4=1。こんな考え方なのです。

 これらは西洋の方たちが作った方式です。

 僕の個人的意見ですが、25セント。1ドルを4つで割っているように、西洋の方たちは、1や10を割る時、4で割ることが多い気がします。西洋の音楽は極めて数学的で科学的なのですが、この思考が西洋音楽のリズム表記法4分の4拍子の基準になったのではないかと思います。 


筆者

ミン・ヨンチ

ミン・ヨンチ(閔 栄治) ミュージシャン 韓国伝統音楽家

大阪生まれ。幼少の頃からブラスバンドやドラムを経験し、高校から韓国へ。旧李王朝雅楽部養成所であった国立国楽高等学校に入学、ソウル大学音楽学部国楽科卒。1992年サムルノリ競演大会個人部最優秀賞。1992年国楽室内管弦楽団「スルギドゥン」に入団。1993年スーパー・パーカッション・グループ「PURI」創団メンバー。イ・ムンセ(歌手)のテレビ番組にも出演。現在も韓国伝統音楽とジャンルの違う音楽とのコラボレーションに活動中で、2009年に立ち上げた公演「新韓楽」ではジャズとコラボ―レーションした。日韓両国で数多くの公演。アルバム「HANA」(2015年/ユニバーサルミュージック・ジャパン)をリリース。ライブでは日本全国3万人を動員。国楽管弦楽の作曲にも力を入れ、2014年韓国文化芸術委員会で作曲賞受賞。「大衆に楽しんで聞いてもらえる楽曲作り」を目指す。現在、韓国芸術総合大学、梨花女子大学、秋藝芸術大学講師。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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