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5拍子10拍子の世界へ

 ところが東洋、韓国はそうではありません。

 まず、1=何分の何?、という考え方で音楽を作りませんでした。

 韓国伝統音楽は、ほとんど歌から派生した作曲方法です。おもに民俗学的、哲学的、宗教的に由来し、宮中音楽以外、楽譜は近年になるまでありませんでした。

 労働歌から民謡になったものも多いですね。だからこそ、口伝や実演演奏によって継承されてきました。

 例えば、セマチという民俗音楽のリズムがあります。8分の9拍子。

 なので、1 2 3 2 2 3…と続いて行きます。

 これを両面太鼓のチャングの口伝では、「ドンドンタクタ ドンドンタクタ…」と言います。

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 でも、単に楽譜通りに叩いて、味気なく、民俗的な雰囲気は出せません。

 それで、ここに、「アリラン」が登場!!

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 という風に歌を歌いながら叩くと、強弱が表れ味がでます。

 これに関して、韓国語でリズムのことを、「長短(チャンダン)」というのですが、見ての通り、「長い音と短い音」という意味です。

 つまり長短の長は、♩or♩.(四分音符又は付点四分音符)、長短の短は、♪or♩(八分音符又は四分音符)だと思っていただければいい。

 アリランでは、ア~ ~が長で表現、リランは短で表現ということになります。

 この長短が、実演演奏や口伝で伝承されてきているので、そら、韓国のリズムには変拍子や複合拍子などの複雑なリズムが生まれ、またそれが時代と共に体系化されてきました。これが韓国の伝統音楽、長短の特徴なのであります。

 8分の5拍子や8分の10拍子なども当たり前で音楽をやっている人はそこが面白いのですが、4分の4拍子に慣れている、現代人にはさっぱり分からないでしょう。

 えーーっ!!なにそれーー!?

 だって、We- Will We- Willも4分の4拍子で慣れていますが、5拍子や10拍子もけど、心配しないで。簡単です。歌なのです。歌詞のある歌だから、歌で覚えればあなたももう5拍子10拍子の世界に入れます。

拡大チャング演奏

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筆者

ミン・ヨンチ

ミン・ヨンチ(閔 栄治) ミュージシャン 韓国伝統音楽家

大阪生まれ。幼少の頃からブラスバンドやドラムを経験し、高校から韓国へ。旧李王朝雅楽部養成所であった国立国楽高等学校に入学、ソウル大学音楽学部国楽科卒。1992年サムルノリ競演大会個人部最優秀賞。1992年国楽室内管弦楽団「スルギドゥン」に入団。1993年スーパー・パーカッション・グループ「PURI」創団メンバー。イ・ムンセ(歌手)のテレビ番組にも出演。現在も韓国伝統音楽とジャンルの違う音楽とのコラボレーションに活動中で、2009年に立ち上げた公演「新韓楽」ではジャズとコラボ―レーションした。日韓両国で数多くの公演。アルバム「HANA」(2015年/ユニバーサルミュージック・ジャパン)をリリース。ライブでは日本全国3万人を動員。国楽管弦楽の作曲にも力を入れ、2014年韓国文化芸術委員会で作曲賞受賞。「大衆に楽しんで聞いてもらえる楽曲作り」を目指す。現在、韓国芸術総合大学、梨花女子大学、秋藝芸術大学講師。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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