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図書館は利用者の秘密を守れるのか――コロナ感染予防ガイドラインの矛盾

長岡義幸 フリーランス記者

感染拡大予防ガイドラインに対する疑義や抗議

 新型コロナウイルスの蔓延のために、大部分の公共図書館は休館を余儀なくされ、順番待ちの小説が読めなくなったり、調べ物が滞ったりと、影響を被った人は多かったことだろう。かく言う私も探索中の過去の文献を確認したいと思いつつも果たせないままだった。だが、緊急事態宣言の解除によって、貸出・館内閲覧などの業務を再開する図書館も徐々に現われている。図書館利用者としては喜ばしい限りだ。

職員はマスクと手袋を着用し、貸し出しの受け付けはシート越しに=2020年5月26日、前橋市の群馬県立図書館拡大職員はマスクと手袋を着用し、貸し出しの受け付けはシート越しに=2020年5月26日、前橋市の群馬県立図書館

 並行して、図書館界の代表的な存在である日本図書館協会(日図協)は「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を策定し、5月14日に公表した。一見、図書館界としての危機管理にも抜かりがないかのようだ。

 ところが、日図協がガイドラインを発表した後、その文言に“身内”である全国の図書館関係者から次々と疑義や抗議の声が挙がることになる。

 いったい何が問題にされたのだろうか。

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筆者

長岡義幸

長岡義幸(ながおか・よしゆき) フリーランス記者

1962年生まれ、福島県小高町(現・南相馬市)出身。国立福島工業高等専門学校工業化学科卒業、早稲田大学第二文学部3年編入学後、中退(抹籍)。出版業界紙『新文化』記者を経てフリーランスに。出版流通・出版の自由・子どもの権利・労働などが主な関心分野。著書に『「本を売る」という仕事――書店を歩く』(潮出版社)、『マンガはなぜ規制されるのか――「有害」をめぐる半世紀の攻防』(平凡社新書)、『出版と自由――周縁から見た出版産業』(出版メディアパル)ほか。震災・原発事故関連の共著書に『除染労働』(三一書房)、『復興なんて、してません――3・11から5度目の春。15人の“いま”』(第三書館)なども。