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DA PUMPからEXILEへ~新しい「不良」アイドルのかたち

太田省一 社会学者

DA PUMP以降の「不良」アイドルの変化

 そもそもヒップホップ文化の根底には、既存の硬直した社会秩序、価値観に対する反発や抵抗がある。その意味で、ストリートダンスやラップは社会常識からはみ出す部分を本質として有するものであり、不良性と結びつく。そしてこの連載では、男性アイドルの二大潮流として「王子様」の系譜と「不良」の系譜があると折に触れて述べてきた。

 その文脈で言うと、1990年代以降のヒップホップ文化の浸透は、「不良」アイドルのありかたにも当然影響を及ぼした。一言で言えば、それはバンドからダンスへの転換だった。

 これまでみてきたように、1960年代のグループ・サウンズ、1980年代の横浜銀蝿らツッパリアイドルなど「不良」アイドルの多くに共通するのは、ロックをベースにしたバンド形態で活動したことである。やはり「不良」アイドルの系譜に属する1970年代の西城秀樹が、沢田研二と並んで自らのロックバンドを従えて歌っていたことなどもそうだろう。

 ところが1990年代以降、不良性を担うものはバンドからダンスになった。むろん1980年代末に「イカ天」ブームが起こったように人気ロックバンドが出てこなくなるわけではないが、少なくともダンスアイドルの勢いはそれに劣らぬものになった。

 実際、DA PUMP以降、ヒップホップの影響を多少なりとも受けた人気ダンスユニットが生まれるようになる。

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筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)、『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)など。最新刊に『ニッポン男性アイドル史――一九六〇-二〇一〇年代』(近刊、青弓社)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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