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下北沢・本多劇場の扉を開ける

コロナ禍を乗り越えて再始動、「演劇の街」のいまは

本多愼一郎 本多劇場グループ総支配人

どうすれば再開できるか。緊急事態宣言直後から検討

 劇場をどのような形で再開するか。

 これは、緊急事態宣言が出た直後から考えていました。

 長年お付き合いしている御笠ノ忠次さん(みかさの・ちゅうじ、脚本家・演出家)と相談を始めました。同じ頃、川尻恵太さん(脚本家・演出家)から、自分のユニットの過去作品の映像を有料配信して、収益を本多劇場グループに寄付したいというありがたい連絡をいただきました。川尻さんと御笠ノさんが親しかったこともあり、お二人で企画を進めてもらうことになりました。

 ゴールデンウィーク明けに、6月1日に本多劇場を開ける、と決めました。

 見通しは「6月になれば緊急事態宣言は解除されているだろう」「それでも東京都の基準はあまり緩和されてはいないだろう」でした。その状況下でも実現可能で、安全、安心な演劇は何か――。

 本多劇場を使って、一人芝居、無観客、生配信で『DISTANCE』を上演することにしました。とにかく劇場で演劇を上演する。スタッフに仕事をしてもらい、お金も回す。それを目指しました。もともとは1日だけの予定だったのですが、いろいろな方に協力していただき、結果として1週間の公演になりました。

 本多劇場グループPRESENTS『DISTANCE』では、6月1~7日に11人の俳優が、それぞれ異なる内容の一人芝居を1回ずつ演じた。冒頭、廃墟のようになってしまった劇場の舞台に2人の作業員が現れる。彼らは互いに距離をとりながら掃除を始めるが、ひとりがこの舞台でかつて上演されていた「演劇」について語りだすと場内が暗くなり、その日出演する俳優が現れ、一人芝居が始まる。料金は3作連続上演だった1日は3500円、2日以降は2500円。イープラスが運営する「Streaming+」を使って配信された。

拡大『DISTANCE』で企画・脚本・演出を担当し、冒頭場面の清掃員の役も演じた川尻恵太(右)と御笠ノ忠次=2020年6月1日、東京・下北沢の本多劇場、和田咲子撮影

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