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伊藤詩織さんや木村花さんのケースから考える批判と誹謗中傷の境界線

批判的な内容を投稿する際に一度立ち止まることの大切さ

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 ジャーナリストの伊藤詩織さんが、性暴力の二次被害(セカンドレイプ被害)を受けたとして、漫画家のはすみとしこさんら3名を提訴したと発表しました。その日のうちに、Twitterでハッシュタグ「#わたしは伊藤詩織氏を支持します」がトレンド1位を獲得しており、この問題に対する人々の関心の高さが伺えます。

記者会見する伊藤詩織さん=2020年6月8日午後2時5分、東京都中央区20200608拡大インターネット上の誹謗中傷で精神的な苦痛を受けたとして、漫画家など3人を訴えた伊藤詩織さん=2020年6月8日

 SNSで誹謗中傷を受けていた女子プロレスラーの木村花さんが亡くなってしまうという痛ましい悲劇が起こって以降、「誹謗中傷」がホットトピックになっていますが、さらに対策強化を求める声が大きくなりそうです。

政府与党は本当に批判・非難と誹謗中傷を区別できるのか

 これを受けて、先日2020年6月9日には自民党の誹謗中傷対策プロジェクトチームが提言を政府に提出しました。情報開示のハードルを下げる等の施策は、早急に進めて欲しい気持ちがある一方で、懸念もあります。

 前回の記事「木村花さんの死にも懲りない、批判と誹謗中傷の違いが分からない人たち」で触れたように、言葉の本来の意味を都合のいいように歪曲させる「言葉のカスタマイズ」が噴出する社会においては、適切な「批判」や「非難」が「誹謗中傷」とされ、逆に「誹謗中傷」が適切な「批判」や「非難」と見なされてしまうことが頻出しているのです。

 また、プロジェクトチームの座長を務める三原じゅん子参議院議員は、「批判と誹謗中傷の違いを皆さんにまず理解していただく」と述べていますが、その二つはどう区別するのでしょうか? 実際には、その境界線は曖昧であり、たとえ同じ言葉でも、TPOにより批判・非難の言葉が誹謗中傷の言葉になったり、その逆もあるからです。

 もしその区別を明確化できなければ、公権力による恣意的な解釈を許すことになりかねません。公権力や権力者と親しい人物に対する批判が誹謗中傷として捉えられて、言論封殺に繋がる可能性も十分あり得ることでしょう。これは絶対に防がなければならないことです。

 そこで、私なりに「適切な批判・非難」となり得るために必要な5つの要件を考えました。以下、様々な具体例をあげて解説します。

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

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