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「コロナを考える」を創作の勇気に変える道筋

【後編】公園で独り芝居。何を学び、思い出したか

串田和美 演出家・俳優・舞台美術家

目に見えないものをどう支えてゆくのか

 今こそ芸術文化の力が必要な時だと、多くの人たちが言い出している。勿論そう思う。

 しかし何故“今こそ”なのだろう?

 芸術文化というものはいつだって必要だったが、今こそそのことをアピールする時というのだろうか?

 うん、その通りかもしれない。

 戦後全てが壊滅状態になった社会の中で、大勢の先人達の情熱や努力のおかげで、様々な芸術文化、とりわけある種の演劇やライヴアートがやっと社会的地位を獲得しだしてきた。

 それでも全体としては、まだまだ安心して運営しているというには程遠い状態であったところに、今回のコロナパンデミックのようなことが起こり、先行きのわからない長期間、人々が密集して寄り添うような興行は自粛しろという御触れが出た(自粛という表現に強い違和感を感じるが話がそれるのでここでは書くのを自粛する)。

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筆者

串田和美

串田和美(くしだ・かずよし) 演出家・俳優・舞台美術家

1942年生まれ。66年、斎藤憐、吉田日出子らとともに劇団自由劇場(後にオンシアター自由劇場と改称)を創設。代表作に『上海バンスキング』『もっと泣いてよフラッパー』などがある。85年から96年まで、東京・渋谷のシアターコクーン芸術監督として、コクーン歌舞伎など多くの成果をあげた。2003年から、まつもと市民芸術館(長野県松本市)の芸術監督を務めている。海外公演も数多い。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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