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60年安保から60年。〝敗北のレクイエム〟が今に語り継ぐものとは その2

【23】西田佐知子「アカシアの雨がやむとき」

前田和男 翻訳家・ノンフィクション作家

安倍首相の記憶の中の「アカシアの雨」

 ここで筆をおくつもりだったが、想定外の情報が入手できたので、今少し筆を加える。

 60年安保闘争で全学連主流派とそのシンパが、同床同夢ならぬ〝同床同歌〟を夢見たものの、逆に〝同床異歌〟という現実をつきつけられ、深い挫折を覚えたことはすでに検証した。だったら、順列組み合わせ的には〝異床同歌〟があってもおかしくない。まったく別の場所で、「アカシアの雨――」を同じく鎮魂の唄とした人がいた可能性である。興味半分で資料を漁ってみたところ、なんとそれが見つかった。

 しかも、その「異床」たるや、「異床」も「異床」、安保反対とは真反対の〝憎っくき敵〟の身中に、「アカシアの雨――」を安保反対の人々と同じく「挫折の鎮魂歌」として〝哀唱〟してやまない〝大物〟がいた

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筆者

前田和男

前田和男(まえだ・かずお) 翻訳家・ノンフィクション作家

1947年生まれ。東京大学農学部卒。翻訳家・ノンフィクション作家。著作に『選挙参謀』(太田出版)『民主党政権への伏流』(ポット出版)『男はなぜ化粧をしたがるのか』(集英社新書)『足元の革命』(新潮新書)、訳書にI・ベルイマン『ある結婚の風景』(ヘラルド出版)T・イーグルトン『悪とはなにか』(ビジネス社)など多数。路上観察学会事務局をつとめる。

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