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 韓国伝統音楽に関して少しでもご理解をしていただけるために、何回かにわたって記事を書かせていただいています。

 今回は私が高校、大学とで専攻した楽器、テグムを紹介したいと思います。

探すのが大変な「双骨竹」

 テグムとは漢字で、大笒と書きます。竹でできている横笛です。

 笒という漢字が、テグムを意味し韓国の竹でできている横笛を意味します。

 ですので、サイズが違う、大中小と、大笒(テグム)、中笒(チュングム)、小笒(ソグム)もあります。

拡大大笒(テグム)、中笒(チュングム)、小笒(ソグム)

 「笒」は「琴」の字とよく間違われますが、「王かんむり」ではなく、「竹かんむり」です。

 王かんむりの「琴」という字は、弦楽器のお琴を意味しますね。けど、竹かんむりですので、日本にはない漢字です。素材は竹です。日本の尺八の素材になる竹と類似しています。

 素材になる竹の特徴ですが、普通の竹は背が高くて太いですよね。そして筋のようなくぼみが一つだけ入っています。

 けど、テグムや尺八に使われる竹は、背が小さくて細く、そして筋が2本入っています。

 この竹の事を、双骨竹と言います。たくさんの竹林の中に、まれに生えているので、探すのにも難しく、双骨竹だけでも素材に値が張ります。

 この双骨竹は普通の竹より、実が詰まっており、そう簡単には割れません。なので長持ちしますし、楽器の素材としては最良なのです。


筆者

ミン・ヨンチ

ミン・ヨンチ(閔 栄治) ミュージシャン 韓国伝統音楽家

大阪生まれ。幼少の頃からブラスバンドやドラムを経験し、高校から韓国へ。旧李王朝雅楽部養成所であった国立国楽高等学校に入学、ソウル大学音楽学部国楽科卒。1992年サムルノリ競演大会個人部最優秀賞。1992年国楽室内管弦楽団「スルギドゥン」に入団。1993年スーパー・パーカッション・グループ「PURI」創団メンバー。イ・ムンセ(歌手)のテレビ番組にも出演。現在も韓国伝統音楽とジャンルの違う音楽とのコラボレーションに活動中で、2009年に立ち上げた公演「新韓楽」ではジャズとコラボ―レーションした。日韓両国で数多くの公演。アルバム「HANA」(2015年/ユニバーサルミュージック・ジャパン)をリリース。ライブでは日本全国3万人を動員。国楽管弦楽の作曲にも力を入れ、2014年韓国文化芸術委員会で作曲賞受賞。「大衆に楽しんで聞いてもらえる楽曲作り」を目指す。現在、韓国芸術総合大学、梨花女子大学、秋藝芸術大学講師。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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