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TOKIO、V6、KinKi Kids、ジャニーズの群雄割拠時代へ

太田省一 社会学者

V6のオールラウンドな魅力と親しみやすさ

 TOKIOの城島、山口、国分と同じく平家派のメンバーだったのが、V6のリーダー・坂本昌行である。

 V6の結成は、1995年。事前に同年開催の「バレーボールワールドカップ」のイメージキャラクターがジャニーズから起用されることが予告され、その後正式発表されたのが坂本、長野博、井ノ原快彦、森田剛、三宅健、岡田准一の6人によるV6だった。グループ名の「V」には「volleyball」や「victory」などいくつかの意味が込められている。

 こうしてバレーボール絡みでデビューする手法は、この後もジャニーズの多くのグループに受け継がれていく。またこの大会を中継したフジテレビが絡んだイベントという意味では、以前にもふれた光GENJIのパターンを踏襲したともいえる。厳密にはまったく同じではないが、坂本、長野、井ノ原の年長組にあたる「20th Century(トニセン)」と年少組となる森田、三宅、岡田の「Coming Century(カミセン)」の2組からなるという点も、光GENJIに重なるところがある。

 大会のイメージソングであるデビュー曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」(1995年発売)は、安室奈美恵によるカバー曲がヒットするなど当時流行していたユーロビート。作詞は秋元康だが、作曲は海外のミュージシャンである。この路線はシングル4枚目の「TAKE ME HIGHER」(1996年発売)まで続くことになる。

 その一方でV6には、それとは異なる

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筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)、『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)など。最新刊に『ニッポン男性アイドル史――一九六〇-二〇一〇年代』(近刊、青弓社)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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