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宝塚歌劇、その本質である「愛」について

男役はなぜ「カッコよく」あらねばならないのか

天野道映 演劇評論家

少女の可愛らしさから、女性の魅力へ

拡大宝塚少女歌劇『宝船』。室内プールを改造したパラダイス劇場で上演した=1914年(大正3年)

 少女歌劇が1914年(大正3年)に、桃太郎を主人公にする『ドンブラコ』で旗揚げした時、それは十四、五歳の少女たちの劇団だった。当時としては常識破りの大劇場が建てられたのは、あたかも第1期生が二十歳を越える年齢に達した頃である。

 大きな空間では少女の可愛らしさは通用しにくくなり、大人の女性の魅力を演出する出し物が必要になる。その最初の作品は岸田辰弥の『モン・パリ』(初演1927年=昭和2年)で、ここからレビュー時代が始まり、男装の麗人も登場した。しかし愛のドラマが誕生するためには、もうひとつの要素が必要だった。

 愛は宝塚に限らず、あらゆる文芸作品の主要なテーマである。宝塚らしさは愛の性格にある。

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筆者

天野道映

天野道映(あまの・みちえ) 演劇評論家

1936年生まれ。元朝日新聞記者。古典芸能から現代演劇、宝塚歌劇まで幅広く評論。主な著書に『舞台はイメージのすみか』『宝塚のルール』『宝塚の快楽―名作への誘い』『男役の行方: 正塚晴彦の全作品』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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