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『愛の不時着』にハマった人はこれを観るべし! 韓国恋愛ドラマBEST10

設定・作り込み・俳優、どれをとっても一級の極上ラブストーリー

木村桂子 フリーライター


 2000年代初頭の『冬のソナタ』『宮廷女官チャングムの誓い』を筆頭とする第一次韓流ブームに始まり、多くの人を虜にし続けている韓国ドラマ。現在においてもその勢いは廃れることなく、むしろNetflix配信ドラマ『愛の不時着』や『梨泰院クラス』のヒットによりこれまで韓国ドラマに触れてこなかった層にも受け入れられ、ぐっと人気が加速している。

 筆者もそんな韓国ドラマの大ファンのひとりだ。10年以上、韓国ドラマの主にラブコメ・ロマコメジャンルをしがみつくように観てトキメキと切なさのジェットコースターを味わい、目を真っ赤にしながら登場人物たちの永遠の幸せを願ってきた。週刊エンタメ誌の編集部に在籍していた頃は、好きなドラマや俳優をかたっぱしから紹介する韓国特集ページを毎週作る始末だった。

拡大『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』ⓒSTUDIO DRAGON CORPORATION

 韓国ドラマの醍醐味は、思わず「え…!?」と聞き返してしまう無茶な設定と、そんな設定を具現化してしまう緻密な作り込み、そして「そんな話、絶対ナイ」という流れを「全然アリ」にできる俳優の演技力とキュートな存在感にほかならない。

 『冬のソナタ』が日本で放送されてから約17年、『愛の不時着』で再び注目を集める今。設定・作り込み・俳優、どれをとっても一級の極上ラブストーリーを、2010年代以降のものから10作品をご紹介したい。

2010年以降の極上10作品は

10位『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ〜』(2016年)

拡大『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ〜』DVD-BOX1 15,552円(税込)・14,400円(税抜)/発売元:コンテンツセブン/販売元:TCエンタテインメント/ⓒ 2016-7 MBC

 体育大学の重量挙げ部選手キム・ボクジュ(イ・ソンギョン)と、大人気水泳部選手のチョン・ジュニョン(ナム・ジュヒョク)がトラブルに。それをきっかけに、ボクジュを学内で見かけるたびにからかうようになるジュニョン。一方で別の人に一目惚れするボクジュに、ジュニョンは…!?

 これぞ王道青春ラブコメ。2人の可愛らしいやり取りにニンマリし、嫉妬する姿にほっこり。この可愛い2人をいつまでも観ていたい、と思わせる愛すべき1作だ。

9位『むやみに切なく』(2016年)

拡大『むやみに切なく』Licensed by KBS Media Ltd. ⓒ2016 SAMHWA NETWORKS All rights reserved

 国民的スターのシン・ジュニョン(キム・ウビン)は、順風満帆に見えるものの辛い過去があり、病にも侵されて余命宣告を受ける身。そんな彼の前に初恋の相手であるノ・ウル(ペ・スジ)が突然現れる。残された時間をともに過ごそうと、ジュニョンはウルへ「3ヶ月間本気で恋愛しよう」と伝えるが…。

 タイトル通り、この2人が切なくて切なくてやりきれない。2人だけでなくジュニョンと母親とのストーリーも切なくて胸が締め付けられ、最終話が近づくにつれ涙の分量が増えていく。

8位『この恋は初めてだから~Because This is My First Life』(2017年)

拡大『この恋は初めてだから ~Because This is My First Life』DVD-BOX1 16,200円(税込)・15,000円(税抜)/発売元:クロックワークス/販売元:TCエンタテインメント/ⓒ STUDIO DRAGON CORPORATION

 普通のサラリーマンで独身主義のナム・セヒ(イ・ミンギ)と、脚本家の夢が諦めきれない高学歴女子ユン・ジホ(チョン・ソミン)。ひょんなことから同居することになり、お互いの利益のために契約結婚へと進む。

 韓国ドラマによくある「契約結婚」という形なので、なるほどここからドタバタラブコメが展開するのだろうとタカを括っていると、意外な話運びで魅せていく。恋愛ってなんだろう、結婚ってどういうことなんだろうと真面目に考えさせながら、しっかり胸キュンポイントもついてくるあたり、さすが芸達者のイ・ミンギとチョン・ソミンと言いたい。

7位『恋のスケッチ 〜応答せよ1988〜』(2015年)

拡大『恋のスケッチ~応答せよ1988~』ⓒCJ E&M Corporation, all rights reserved.

 "応答せよ"はシリーズで展開する作品で、本作1988は第3作目。1作目は1997、2作目は1994で、いずれも名作と名高い。

 ソウルオリンピック開催の1988年を舞台に、6人の男女の青春と恋を描くストーリー。勉強はできないけれど子猿のように活発な女の子、ドクソン(ヘリ)は最終的に誰と結婚するのか!? 天才棋士で癒やし系のテク(パク・ボゴム)や、ドクソンのことが密かに気になっているジョンファン(リュ・ジョンヨル)、優等生のソヌ(コ・ギョンピョ)、おちゃらけ者のドンリョン(イ・ドンフィ)など、登場人物全員に幸せになってほしいと願うばかり。

6位『密会』(2014年)

拡大『密会』ⓒJTBC co.,Ltd all rights reserved

 江國香織の小説『東京タワー』を原案に、20歳の青年イ・ソンジェ(ユ・アイン)と40歳の人妻オ・ヘウォン(キム・ヒエ)の許されざる愛が描かれる。

 天才的なピアノの才能を持ちながら家族を支えるため苦しい生活を強いられるソンジェが、自分の才能を見出してくれた芸術センター企画室長のヘウォンに惹かれていくさまは、なんとも狂おしく、切なく、そして官能的。純朴なソンジェがピアノを演奏するとたちまち大胆さとしなやかさを携え、場を一気に魅了する姿もたまらない。そんなソンジェに抗えないのは、女の本能というものなのだろうか。盛大にドキドキしよう。

5位『相続者たち』(2013年)

 財閥御曹司のキム・タン(イ・ミンホ)と、幼い頃から苦労して育ってきたチャ・ウンサン(パク・シネ)。ひょんなことからアメリカで出会った2人は、韓国の名門私立高校にて再会する。

 財閥と庶民の恋といういかにもなストーリーかと思いきや、王道ラブコメに収まらない壮大なストーリーが展開していく。彼らを取り巻く人物も魅力的に描かれ、ひとつとして無駄がなくそれでいて震えるように切なく、極上に甘い恋もしっかりと描かれ、さすがヒットメーカーとして名高い脚本家キム・ウンスク作品である。

4位『星から来たあなた』(2013年)

拡大『星から来たあなた』ⓒHB ENTERTAINMENT

 “身分違いの恋”や“水と油の2人がいつしか…”など、さまざまな格差恋愛を描いてきた韓国ドラマのトレンドが、本作の登場でガラリと変わる。それが、現実では絶対にありえないファンタジーな舞台設定の採用だ。本作で描かれるのは、なんと宇宙人とスター女優との恋愛。素性を隠しながら地球で暮らす宇宙人のト・ミンジュン(キム・スヒョン)と、自由奔放なスター女優チョン・ソンイ(チョン・ジヒョン)が出会い恋に落ちるのだが、地球にいられる時間が迫っていて…という、一見とんでもストーリー。しかし、これがしっかりと納得させられてしまうのだから恐れ入る。

 ミンジュンのツンデレ感と、ソンイの愛すべきワガママっぷりがなめらかに溶け合い、最後、とろけるような甘い感動を味わおう。

3位『青い海の伝説』(2016年)

拡大『青い海の伝説』コンパクトBlu-ray BOX(全2BOX)発売中/発売元:アクロス、ポニーキャニオン、CopusJapan、韓流ぴあ/販売元:ポニーキャニオン/ⓒSTUDIO DRAGON CORPORATION

 本作の主人公はなんと人魚。童話で何度も描かれた人魚と人間との悲恋を、現代の韓国ドラマでアップデートするとこんなにもドラマチックになるのかと驚き、感服する1作だ。

 スペインに滞在していた詐欺師ホ・ジュンジェ(イ・ミンホ)は、ある日ホテルの部屋で見知らぬ女性を発見。言動がとんちんかんなその女性は、初めて陸に上がった人魚(チョン・ジヒョン)だった。行動をともにするうち情が育まれていくというストーリー。

 人間界の常識が身についていない人魚を、コミカルかつ真摯に演じきるチョン・ジヒョンの実力たるや! これだと決めた人を愛して愛して愛し抜く、人魚の心意気をじっくりと堪能したい。

2位『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』(2017年)

拡大『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』ⓒSTUDIO DRAGON CORPORATION

 本作で韓国ドラマのファンになった人も多いに違いない。トッケビ(鬼)と人間という不思議な組み合わせ、現代と高麗時代を行き来する壮大な舞台、美しく儚い映像、一つひとつ丁寧に積み重ねられた脚本、そして何よりトッケビを演じたコン・ユとトッケビの花嫁を演じたキム・ゴウンの心揺さぶる演技、どれをとっても一級である。

 不滅の命として生きるトッケビのキム・シン(コン・ユ)は、永遠の命から解き放たれたいと願っていた。それが叶えられるのはトッケビの花嫁と呼ばれる存在のみ。生き続ける日々の中、ある日トッケビの花嫁だという女子高生チ・ウンタク(キム・ゴウン)と出会う。不滅の命の終わりを願っていたシンだが、ウンタクと過ごす中でそんな気持ちが揺らぎはじめる。

 シンは運命をどう生きるのか、ウンタクはシンの運命を変えるのか、最後までひと時も目を離せず、息を飲みつつドラマの世界に没頭する。

1位『愛の不時着』(2019年)

拡大『愛の不時着』 主役のソン・イェジン(右)とヒョンビン=tvN提供

 パラグライダー中に竜巻に巻き込まれた財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン)が北朝鮮に不時着。軍人のリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)がセリを見つけ、自分の家に住まわせながら北朝鮮脱出の計画を立てる中で、徐々に惹かれ合っていく。

 本作はどうしてこれほどヒットしているのか。パラグライダーで北朝鮮に不時着するという突飛な設定はあるものの、これまでも北朝鮮女性将校の恋愛を描いた作品(『キング 〜Two Hearts』)はあったし、宇宙人との恋愛や漫画に入り込んで登場人物と恋に落ちる(『W -君と僕の世界-』)などという作品を生み出してきた韓国ドラマであるから、それほど驚くこともない。

 ヒットの理由、それはひとえに緻密で巧みな脚本と、盛大に資本を投じたであろう豪華なセット、そしてイェジンとヒョンビンはもちろん脇を固める俳優たちの高い演技力が、高レベルで結びついたからにほかならない。

 丁寧に張り巡らされた伏線を鮮やかに回収し、点が線になっていくさまは実に痛快。軍人であるジョンヒョクの美しい佇まいや勇ましさ、それでいてとびきり優しく、後輩想いで、実は高官の息子であるのに鼻にかけず、むしろひた隠しにしており、しかも芸術にも秀でるというパーフェクトな人物像もまったく嫌味がなくすとんと胸に落ちる巧みさ。ジョンヒョクとセリだけでなく、部下の隊員たち、セリの秘書、保険営業マンなど周辺人物が愛ある眼差しで描かれていることもひしひしと伝わる。画面の隅から隅まで舐めるように堪能したい、そんな1作である。

現在の韓国ドラマを牽引する2人の女性脚本家

 映画は監督のものといわれ、舞台は俳優のものといわれる。ではドラマは誰のものかというと、脚本家のものである。現在の韓国ドラマを牽引するのは、キム・ウンスクとパク・ジウン、2人の脚本家といって差し支えないだろう。

 『トッケビ』や『相続者たち』を書いたキム・ウンスクは王子様的な男性キャラクターを描かせたらNo.1の作家で、最新作『ザ・キング:永遠の君主』では“白馬に乗った王子様”を比喩でなくそのまま登場させて楽しませてくれた。

 一方『愛の不時着』や『青い海の伝説』を書いたパク・ジウンは芯の強い女性主人公を生み出すのに長け、どのドラマの女性も実にチャーミングに魅せる。

 2人の脚本家はどちらも1970年代生まれ。彼女たちが生み出すドラマチックでファンタジックな世界をこれからも楽しめることに、心から感謝したい。

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筆者

木村桂子

木村桂子(きむら・けいこ) フリーライター

1982年生まれ。ファッション誌や情報誌などの編集を経て、エンタメ系週刊誌の編集部に長く在籍。2014年に独立し、現在は大阪在住。エンタメをはじめ観光情報誌や公報誌など、さまざまなジャンルで執筆中。

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