2010年代デビューのジャニーズたち
2010年代になってメジャーデビューしたジャニーズグループにも、多かれ少なかれそうした側面がうかがえる。
2011年にCDデビューしたKis-My-Ft2(キスマイフットツー)は、北山宏光、千賀健永、宮田俊哉、横尾渉、藤ヶ谷太輔、玉森裕太、二階堂高嗣の7人グループ。そのなかでの前列と後列の“格差”を逆手にとってグループ全体の知名度を増していった。パフォーマンスの際に目立たないことの多い後列のメンバーが、中居正広のプロデュースによって「舞祭組」(ブサイク)というユニットを結成してCDデビュー。自虐的な笑いを交えながら自分たちをアピールすることに成功した。
またアクロバットを得意とし、2012年にジャニーズ初のDVDによるデビューを果たしたA.B.C-Zは橋本良亮、戸塚祥太、河合郁人、五関晃一、塚田僚一の5人。Jr.としての在籍年数が長かったメンバーが多く、“苦労人”としてしばしばそのことが話題にされる。メンバーの河合郁人が他のジャニーズメンバーのダンスやちょっとした仕草の物真似などで注目されているのも、そうした経歴を生かしてのものだろう。
同時にジャニーズの伝統を引き継いでいくようなグループのデビューもあった。
2014年CDデビューのジャニーズWESTは、重岡大毅、桐山照史、中間淳太、神山智洋、藤井流星、濵田崇裕、小瀧望の7人。グループ名通り関西ジャニーズJr.のメンバーで結成された。KinKi Kids、関ジャニ∞と受け継がれてきた関西出身者によるグループの系譜である。デビュー曲「ええじゃないか」も、関ジャニ∞などに通じるところのあるお祭りソング。こうした歌謡曲的テイストを巧みに盛り込んだ楽曲は、関西出身ジャニーズのトレードマークのひとつにもなっている。
一方で、この連載でもみてきたように、ジャニーズの原点である「王子様」路線の復活を担うようなグループも2010年代になって登場してきた。
中島健人、菊池風磨、佐藤勝利、松島聡、マリウス葉の5人からなるSexy Zoneは、
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