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森友事件・赤木雅子さんの「正直パワー」は忖度社会を穿つか

矢部万紀子 コラムニスト

 佐川宣寿さんという人は財務省理財局長として、森友学園の国有地取引に関する決済文書の廃棄や改ざんの「方向性を決定づけ(©財務省調査報告書)」ながら、何を考えていただろう。

 報告書によると、目的は「国会審議の紛糾を回避する」。そのためのタスクを遂行しつつ、「ここで安倍首相を守れば、出世が待ってるぞー」とか、「これ、バレたらやばいヤツだよなー」とか、ポジティブ思考と危機意識をぐるぐるさせていたはずだ。両方を併せ持つ人だから、理財局長→国税庁長官という出世街道を歩んだと思う。知らんけど。

 知らんついでに想像するなら、マスコミと野党をやり過ごせば、何とかなる。そう計算していたかもしれない。ハイリターン狙いのハイリスク仕事。失敗したわけだけど。

 などと勝手に佐川さんの頭の中を想像したのは、赤木雅子さんのことを書きたかったからだ。まさか彼女のような人が現れるなんて、想像だにしていなかったに違いない。想定外のところからすごいパワーの女性が来て、自分のみならず、安倍政権の、官僚の、検察の、おかしなところを突いてくる。武器は「正直パワー」のみ。そんな佐川さんもびっくりな、女性の話だ。

第1回口頭弁論で意見陳述する赤木雅子さん=15日午後、大阪地裁、絵・岩崎絵里20200715拡大第1回口頭弁論で意見陳述する赤木雅子さん=2020年7月15日、大阪地裁 絵・岩崎絵里

筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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