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ピンチ乗り越え、浪曲の灯を高く、遠くへ

ライブ配信奮闘記(下)

玉川奈々福 浪曲師

意地の一灯、「なんとかする!」

 配信には、お金がかかります。

 場所代、機材費、機材レンタル費用、配信スタッフのギャランティ、出演者ギャランティ。

 どれだけかかるんだろう。

 それを話し合っている時間もない。

 でも、私は有料配信にはしたくなかった。

 なぜ、配信をいま、しようと思ったのか。

 絶滅危惧芸能である浪曲が、さらに絶滅危惧状態に追い込まれている今。

 意地の一灯を掲げたいから。

 すべてのライブが中止になっている中で、これ以上浪曲を埋もれさせてしまいたくない、と、やはり思った。

 一灯を掲げるなら、今までのファンの方々だけにとどめていては駄目でしょう。

 いままで届かなかった、遠方へ。

 浪曲のろの字も知らない人の元へ。

 さまざまな事情でライブに足を運ぶことのできないひとのもとへ。

 ふらり入ってこられるように、無料配信に。

 有料という選択肢は、私にはない。

 「なんとかする!」

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(残り:約3674文字/本文:約5275文字)


筆者

玉川奈々福

玉川奈々福(たまがわ・ななふく) 浪曲師

横浜市生まれ。出版社の編集者だった94年、たまたま新聞で浪曲教室のお知らせを見て、三味線を習い始め、翌年、玉川福太郎に入門。01年に曲師から浪曲師に転じ、06年、玉川奈々福の名披露目をする。04年に師匠である福太郎の「徹底天保水滸伝」連続公演をプロデュースして大成功させて以来、数々の公演を企画し、浪曲の魅力を広めてきた。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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