メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

キューバ現地報告――コロナ禍の中、世界的活躍と生活面への陰りのなかで

板垣真理子 写真家

米国の経済封鎖による経済的社会的ストレス

 しかし一方では、キューバの活躍に対する米国の歯ぎしりが聞こえてきそうな動きもある。何故そこまで、という疑問はおいて、実際の動向の一部をお伝えする。中国から中南米他24カ国に向けて送られた医療物資などが、キューバ向けのものだけ米国にブロックされてしまう事件が起きた。また、人工呼吸器を供給していた在米のスイスの会社が米国企業により買収され、事実上、この会社からキューバに呼吸器が送られることは不可能になった。

 さらには、カリブ海域に米、イギリス、フランスの軍艦が出向くという、事実上海上封鎖となる不穏な出来事も発生。しかし、その後米国の軍艦から感染者が発生して、帰国を余儀なくされた。在米のキューバ大使館襲撃もあった。現在では、在米国キューバ人の母国への送金禁止などもろもろの圧力が続いて、コロナと闘うべき時代に経済的社会的ストレスを与えられ続けている。

 この米国による経済封鎖については、28年連続、国連決議で「解除すべき」票が米国自身とイスラエルの2カ国を除く(2019年にブラジルが米側についた)圧倒的多数を占めている。にもかかわらず、米国はその決議を無視し続けている。しかし、キューバの活躍が気に入らない米国は、キューバ医療団を「人身売買」と罵り、当然キューバはこれに猛反発した。

ロックダウン前夜のカピトリオ(元の国会議事堂)と、隣のグランテアトロの夜景。カピトリオは、2019年のハバナ市政500年祭に間に合わせて、8年ぶりに美しく蘇った拡大ロックダウン前夜のカピトリオ(元の国会議事堂、左)と、隣のグランテアトロの夜景。カピトリオは、2019年のハバナ市政500年祭に間に合わせて、8年ぶりに美しく蘇った=撮影・筆者

 また、しっかりコメントしておきたいのは、キューバのこの使命に

・・・ログインして読む
(残り:約2659文字/本文:約3947文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

板垣真理子

板垣真理子(いたがき・まりこ) 写真家

1982年、ジャズ・ミュージシャンの撮影から写真の世界に入る。以後、ナイジェリアをはじめとしたアフリカ、南米、カリブ、アジアなどを取材。著書に、『キューバへ行きたい』(新潮社)、『ブラジル紀行――バイーア・踊る神々のカーニバル』(ブルース・インターアクションズ)、『武器なき祈り――フェラ・クティ、アフロ・ビートという名の闘い』(三五館)など多数。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです