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終わらない歌に向けて

 彼女のリゾート熱はさほど長続きしなかった。『SURF & SNOW』の次のアルバム『水の中のASIAへ』(1981)は、アジアのリゾートを歌ったものと誤解されているが、日本とアジアの歴史的・経済的関係にも目配りした、まさにポストコロニアルな(この場合は戦前の日本がアジアで行ったことの記憶の意味)作品である。

 むしろ1980年代前半、ユーミンの関心が向かったのはリゾートの風物や物語ではなく、「反復」というリゾート行動の本質を究めることだったように感じる。1983年にリリースされた『REINCARNATION』では、輪廻転生を意味する表題作が迷うことなく、ユーミンの“反復思想”をコスモロジーへ拡張してみせた。

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筆者

菊地史彦

菊地史彦(きくち・ふみひこ) ケイズワーク代表取締役、東京経済大学大学院(コミュニケーション研究科)講師

1952年、東京生まれ。76年、慶應義塾大学文学部卒業。同年、筑摩書房入社。89年、同社を退社。編集工学研究所などを経て、99年、ケイズワークを設立。企業の組織・コミュニケーション課題などのコンサルティングを行なうとともに、戦後史を中心に、<社会意識>の変容を考察している。現在、株式会社ケイズワーク代表取締役、東京経済大学大学院(コミュニケーション研究科)講師、国際大学グローバル・コミュニケーションセンター客員研究員。著書に『「若者」の時代』(トランスビュー、2015)、『「幸せ」の戦後史』(トランスビュー、2013)など。

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