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拡大東京・渋谷のNHK放送センター
 NHK広島放送局によるツイッターを使った企画「ひろしまタイムライン」が、ヘイトスピーチを誘発するツイートを流したと非難されている。1945年当時の広島市民3人の日記をもとにツイッターで時系列をたどり、終戦直前から原爆投下、終戦の玉音放送、終戦後の行動などをリアルにたどろうというものだ。ヘイトスピーチを誘発するとされたのは、3人のうち13歳の旧制中学1年生のシュンによる6月16日付のツイートと8月20日付のツイートだ。

 6月16日付のツイートでは、勤労奉仕に動員された少年が、朝鮮人労働者たちが「日本は負ける」と話しているのを聞いたとツイートしている。労働者たちの話す言葉から朝鮮人だとわかったとのツイートもあり、大きな蛇を取り合い、中学生が勝ったとの記述もある。8月20日のツイートでは広島から東京へ向かう列車で移動中の少年が、大阪で朝鮮人たちが大勢、傍若無人な様子で列車に乗り込んできたと記述。敗戦国と戦勝国の差を感じさせて悔しいという記述になっている。


筆者

中沢けい

中沢けい(なかざわ・けい) 小説家、法政大学文学部日本文学科教授

1959年神奈川県横浜市生まれ。明治大学政治経済学部政治学科卒業。1978年「海を感じる時」で第21回群像新人賞を受賞。1985年「水平線上にて」で第7回野間文芸新人賞を受賞。代表作に「女ともだち」「楽隊のうさぎ」などがある。近著は「麹町二婆二娘孫一人」(新潮社刊)、対談集「アンチ・ヘイトダイアローグ」(人文書院)など。2006年より法政大学文学部日本文学科教授。文芸創作を担当。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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