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〝原爆を知らない子どもたち〟の自戒の唄 その2

【26】「原爆を許すまじ」

前田和男 翻訳家・ノンフィクション作家

ビキニ環礁発東京生まれの唄はかくしてご当地化した!

 ビキニ環礁での第五福竜丸被爆から原水禁世界大会までは、まさに「原爆を許すまじ」という〝鳴り物〟による一気呵成の1年半であり、それまで孤立無援状態に苦悩していた広島と長崎の被爆者たちにとっては、それは「救世の唄」と聞こえたはずである。そして、「これぞ自分たちの唄だ」「東京生まれであろうと、ある政党の息がかかった運動から持ち込まれた唄であろうと関係はない」と思ってうたい広めていったとしても不思議ではない。

 そして、それはいつしか運動圏をこえて、広島では「カープの応援歌」並みに、そして長崎では平和公園で毎日原爆が投下された11時2分になるとチャイムでメロディが流されるほどに、市民の間に深く静かに広がっていったのではないだろうか。

 さらに、運動圏外の一般の市民にも受け入れられたのは、この唄が運動圏生まれにもかかわらず〝運動臭〟がないことが幸いした

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筆者

前田和男

前田和男(まえだ・かずお) 翻訳家・ノンフィクション作家

1947年生まれ。東京大学農学部卒。翻訳家・ノンフィクション作家。著作に『選挙参謀』(太田出版)『民主党政権への伏流』(ポット出版)『男はなぜ化粧をしたがるのか』(集英社新書)『足元の革命』(新潮新書)、訳書にI・ベルイマン『ある結婚の風景』(ヘラルド出版)T・イーグルトン『悪とはなにか』(ビジネス社)など多数。路上観察学会事務局をつとめる。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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