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咲妃みゆが約8カ月ぶりの舞台で新境地に挑む/上

ブロードウェイミュージカル『ナイン』で映画監督の妻を演じる

大原薫 演劇ライター


 咲妃みゆがミュージカル『ナイン』に出演する。

 イタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニの自伝的作品『8 1/2(はっかにぶんのいち)』が原作。アーサー・コピット脚本、モーリー・イェストン作詞・作曲により1982年ブロードウェイ初演。トニー賞5部門で受賞した傑作で、2009年には映画化もされた。

 スランプに陥っていた映画監督グイド・コンティーニ(城田優)と彼を取り巻く8人の女性たちとの愛の物語を、ロンドンで演出家デビュー(『VIOLET』)を果たした藤田俊太郎による新演出で上演する。

 咲妃が演じるのはグイドの妻、ルイザ。多くの女性たちに取り囲まれているグイドとの結婚生活に不満を募らせているという女性だ。

 今までにない役柄に挑戦する気持ちや作品について、また、コロナ禍の影響で出演予定舞台が中止となり、約8カ月ぶりのミュージカル出演にかける思いなどを伺った。

登場人物の人生の一コマを、役者として生き抜きたい

拡大咲妃みゆ=岩田えり 撮影〈ヘアメイク:本名和美/スタイリスト:中村美保[ワンピース:参考商品/イヤリング:PAULOWNIA(プリマクレール・アタッシュプレス 03-3770-1733)/リング:SAKA(プリマクレール・アタッシュプレス 03-3770-1733)/ブレスレット:グロッセ(グロッセ・ジャパン 03-54136039)/靴:RANDA(06-6451-1248)] 〉
 

――『ナイン』という作品はご存じでしたか。

 もちろん! 最初に知ったのは宝塚在団中、月組の下級生の頃でした。「シネマ・イタリアーノ」という楽曲をとあるショーナンバーの参考にしたいと思って、『ナイン』の映画を拝見したのが最初です。見れば見るほど、回を重ねるごとに作品の素晴らしさの虜になりましたね。

――その頃は、まさかご自分が『ナイン』のルイザ役をおやりになるとは思いもしなかった?

 そうですね、こういうお役に挑戦させていただける年齢になってきたんだなと嬉しく思います。

――今回出演が決まり、改めて『ナイン』という作品を見直してみて、どんな印象を持ちましたか?

 先ほど、グイド役の城田優さんともお話しさせていただいたのですが、「この物語は何かきっかけがあってドラマが動き出すというよりは、ずっと続いている日常が描かれている作品だ」とおっしゃったんです。他の作品とはちょっと違った形のスタートになるので、役者としては、作品の中で描ききれていないルイザの歩みを自分の中でしっかり落とし込んで演じる必要があるなと思いました。閉幕したあとも、「to be continued」と物語は続いていくことを理解した上で、ルイザの人生の一コマを生き抜くというのが大切なんじゃないかなと感じています。

 城田優さん演じるグイドを中心としたストーリーではありますが、お客様それぞれの見方で、物語の景色が変わってくると思うので、いろいろな角度から楽しんでいただけるのではないかと思います。

拡大咲妃みゆ=岩田えり 撮影

――咲妃さんが演じるルイザは、常に多くの女性に囲まれて愛を交わすグイドとの結婚生活に不満を募らせて、離婚を切り出します。今、咲妃さんはルイザという女性をどう演じたいと思いますか?

 「旦那様に浮気をされてしまう、可哀想な女性」と、悲劇のヒロインのように捉えたくないなと思っていて。グイドという男性を愛した彼女の選択の結果そうなったのだから、しっかり目の前の現実に向き合っていくルイザでありたいと思っています。

 「My Husband Makes Movies(私の夫は映画を作っている)」というナンバーの中で、「私は彼の一番のファン」という歌詞があるんですが、それが彼女のすべてだと思うんですね。(グイドと関係を持つ、他の女性たちの出現に)きっと落ち込まなかったことはないはずですが、それでも彼に魅力を感じているんだと思います。口論になるシーンもありますが、ただの喧嘩に見えないように。常に愛情を抱き続けている女性だということを大切にしたいと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『ナイン』
東京:2020年11月12日(木)~11月29日(日) TBS赤坂ACTシアター
大阪:2020年12月5日(土)~12月13日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
公式Twitter
[スタッフ]
脚本:アーサー・コピット
作詞・作曲:モーリー・イェストン
演出:藤田俊太郎
[出演]
城田優 咲妃みゆ すみれ 土井ケイト 屋比久知奈 エリアンナ
原田薫 春野寿美礼/前田美波里
DAZZLE(長谷川達也、宮川一彦、金田健宏、荒井信治、飯塚浩一郎、南雲篤史、渡邉勇樹、高田秀文、三宅一輝)

〈咲妃みゆプロフィル〉
 2010年宝塚歌劇団入団、月組に配属。2014年雪組トップ娘役に就任。『ルパン三世』『星逢一夜』、『ローマの休日』など、様々な作品でヒロインを務める。2016年歌劇団年度賞優秀賞受賞。2017年「幕末太陽傳」を最後に宝塚歌劇団を退団。退団後の主な舞台出演作品は、『シャボン玉とんだ 宇宙までとんだ』『ラブ・ネバー・ダイ』『ゴースト』など。2021年3月に『ゴースト』再演への出演が決まっている。9月にセカンド・アルバム『MuuSee(ミュージー)』を発売。
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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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