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ディズニー映画『ムーラン』はクレジットの謝辞より作品全体が問題

古賀太 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

 コロナ禍の影響でディズニー製作の映画『ムーラン』は米国や日本を含む多くの国で配信での公開になったが、この映画の最後のクレジットをめぐってアメリカや香港で抗議運動が起きているニュースが流れている。クレジットの謝辞に新疆ウイグル自治区の政府機関がいくつも書かれていることが問題だという。新疆ウイグル自治区では少数民族のウイグル人やカザフ人に対して強制収容などの人権侵害が起きており、そこに謝辞とはとんでもないということらしい。

日本でも劇場公開予定だったがコロナ禍により、ネット配信となった image_vultureshutterstock拡大日本でも劇場公開予定だったが、コロナ禍のためにネット配信となった image_vulture/Shutterstock.com

 もともと去年(2019年)の8月に『ムーラン』の主演女優リウ・イーフェイがSNSで「香港警察を支持する」とつぶやいてから、この映画をボイコットする動きは起きていた。それでも今年の3月に世界公開するはずで、日本でも今年の初めから映画館で予告編を流していた。それがコロナ禍で公開が9月になり、多くの国で「ディズニー・プラス(Disney+)」での配信のみとなった。ところが配信した映画を見た人々からは今度はクレジットに批判が上がったのだから、よほど運の悪い映画といえよう。

主演女優リウ・イーフェイがSNSで「香港警察を支持する」拡大主演女優のリウ・イーフェイは、香港の民主化運動に対して、SNSで「香港警察を支持する」と発信した Tinseltown/Shutterstock.com

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筆者

古賀太

古賀太(こが・ふとし) 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より日本大学芸術学部映画学科教授。専門は映画史と映画ビジネス。訳書に『魔術師メリエス――映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』(マドレーヌ・マルテット=メリエス著、フィルムアート社)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(岩本憲児編、森話社)など。個人ブログ「そして、人生も映画も続く」をほぼ毎日更新中。http://images2.cocolog-nifty.com/

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