メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

ディズニー映画『ムーラン』はクレジットの謝辞より作品全体が問題

古賀太 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

観客激増の中国に、ハリウッドが「忖度」

 日本から見ていると、最近目立つ「中国によるハリウッド支配」の一つのように見える。大連万達グループは2012年に米国の映画館チェーンAMCを買収し、2016年には『パシフィック・リム』(2013)や『ジュラシック・ワールド』(2015)などを製作するレジェンダリー・ピクチャーズを買収している。確かに『パシフィック・リム』の続編『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)では菊地凛子演じる森マコは早々に死に、中国のシャオ産業が大活躍するので、そういう印象を与える。

 そうでなくても、『ゼログラビティ』(2013、配給:ワーナー・ブラザーズ)で最後にライアン(サンドラ・ブロック)は中国の宇宙船「神舟」で地球に帰還するし、『オデッセイ』(2015、配給:20世紀フォックス)ではNASAを助けるのは中国国家航天局だ。最近だと『トップガン』(1986)の続編『トップガン マーヴェリック』(配給:パラマウント、コロナ禍で今夏公開予定が来年に延期)の予告編で、トム・クルーズが着るジャンパーの背中の日本と台湾の旗が別のデザインに変わったことが話題になっている。

前作『トップガン』(左)と新作『トップガン マーヴェリック』予告編の革ジャンの背中部分を比較したカナダ紙記者のツイッター。前作は日本と台湾の旗が貼られていた 
拡大前作『トップガン』(左)と続編『トップガン マーヴェリック』予告編。革ジャンの背中部分で、前作にあった日本と台湾の旗が続編では変更されている=カナダ紙記者のツイッターより

 中国への「忖度」がハリウッド大手すべてに蔓延している感じがするが、一番大きな理由は

・・・ログインして読む
(残り:約2637文字/本文:約3684文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

古賀太

古賀太(こが・ふとし) 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より日本大学芸術学部映画学科教授。専門は映画史と映画ビジネス。訳書に『魔術師メリエス――映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』(マドレーヌ・マルテット=メリエス著、フィルムアート社)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(岩本憲児編、森話社)など。個人ブログ「そして、人生も映画も続く」をほぼ毎日更新中。http://images2.cocolog-nifty.com/

古賀太の記事

もっと見る