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皆さまの明日を生きる力に/柚希礼音&安蘭けい

【宝塚~朗らかに~】先輩後輩でのダブルキャスト

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・9月10日付紙面(大阪本社発行版)より】

 映画「リトル・ダンサー」を原作にしたミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」が、9月11日に東京・TBS赤坂ACTシアターでスタート(10月17日まで)する。少年ビリーの才能を見いだすウィルキンソン先生は、柚希礼音、安蘭けいの元星組トップ2人によるダブルキャスト。柚希は前回の17年初演に続く同役で、柚希の先輩・安蘭は初挑戦となる。大阪・梅田芸術劇場は10月30日~11月14日に上演予定。

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拡大ミュージカル「ビリー・エリオット」でウィルキンソン先生をダブルキャストで演じる柚希礼音(左)と安蘭けい(提供写真=撮影・花井智子)
 17年に続き、柚希がウィルキンソン先生役。安蘭とダブルキャストだ。

柚希 (当時)袖から毎日見ていて、子どもたちも大人たちの葛藤も、どの場面も最高と思っていたので、またできる! と。今だからこそ、より皆さまが明日へ生きる力になれれば。

安蘭 最初はニューヨークで見て、本当にすばらしく…。子どもたちのスキルがあまりにも高すぎて、日本ではここまで育てることができないんじゃ? とも。でも、日本初演を見て、とても感動。甘く見ていた自分を反省しました。

 星組トップとして、柚希の1代前が安蘭。先輩、後輩がともに同役に臨む。

安蘭 初演からちえ(柚希)が残っている。宝塚での関係性では微妙に思う人もいるか? だけど、私自身は引っ掛かるものはなく(快諾)。もしかしたら、ちえは「とうこさん(安蘭)くんの?」っていうのがあったかも(笑い)。

 コロナ禍で上演日程も定まらず、自粛生活中も、開幕を信じて励んだ。

安蘭 家で慣れない料理をしながらも、体はつねに動かして。とにかく歩き回っていた。家の中だけではなく、外でも(人との接触を避け)歩きました。

柚希 私は、苦手なことを克服する「ありがたい時期」だと思い、歌をとにかくなんとかせねば…と。ひたすらリモートで(歌の)レッスンをし、クラシックバレエも動画でレッスンを見たり。筋トレ、縄跳びで二重跳びも。とにかく自粛太りしないように!

安蘭 ただ、レッスンをしながらも、いつ終わるか-っていう恐怖は、つねに。もしかしたら、今でもあるかもないかもしれない。

柚希 今に始まったことではなくて。宝塚(歌劇)でも「よかった」って思っていても、誰か感染者が出たら、またしばらく休む。しばらく、この繰り返しかな…とも。より「今」に全力をかける気持ちです。

 ウィルキンソン先生役で、原点を思い返す。

柚希 宝塚に入りお芝居を学び「ダンスは心の表現」と知り…。先生がビリーに教える時も、最も大切にしている部分。押しつけがましくなく、そこは大切にしたいと思います。

安蘭 私はずっと学ぶ側。でも宝塚では、下級生に教えてきた。実は、参考にしている先生がたくさんいて…。このシーンはあの先生-みたいな感じで。

 先輩後輩でのダブルキャスト。互いに学びも多い。

安蘭 柚希先輩(笑い)の初演を見て。その時は宝塚を卒業して間もなく、「ダンスのできる先生」とは違うので、苦労しているだろうな、と。でも、すごく味を出していた。ウィルキンソン先生としては後輩だけど、学年は先輩。言わせてもらうと、とても成長した柚希礼音がいました。

 宝塚時代からダンサーとして知られた柚希も自覚。「子どもができ、第一線は退いた」設定にした。

柚希 私なりの設定を作っていただいて。今回もその線ですけど、難しかった。とうこさん(安蘭)は、初役とは思えないほどリラックスされていて、学ぶことがいっぱいあります…。

安蘭 私の設定は、そこそこのダンサーだったけれども、自己満足でやってきて、実力もそこまでではない。でも、ダンスへの思い入れ、教育熱はとてもある人かなって。めっちゃ必死に楽しんで踊ってる。

 星組時代はトップ、2番手の関係だった。そのダブルキャストも珍しい。

柚希 こんなことって、なかなかないんじゃないか-。最初は、あまりにも恐れ多く…。(2番手時代は)何もかもテンパっていて、とうこさんを支えられなかった。でも、いろいろ学んだ後なので、フランクでもリスペクトし、意見交換もでき…という。

安蘭 後から入っていくので「胸を借りる」感じ。ちえの気持ちはどうかな? って、若干ありました。気を使わないで欲しいって。でも、以前より近寄ってる感じで、すごくいい関係になっているなって。

柚希 そう、思ってくださいますか!

安蘭 思ってる、思ってる。しゃべりやすくもなってる。それは、やっぱりトップの経験と責任。ちえは6年間もやってるから、誰よりも率先して苦労することを学び、経験している。下級生だけど偉いと思う。まあ、冗談で「先輩」って言ってますけど(笑い)。

柚希 ホントうれしい、すごいこと! (トップ経験前は)自分の意見に自信がなかった。とうこさんは私に聞いてくれ、助けたいと思うけど、どう言っても「違う」と言われそうで、自信がなくて。それが今は「自分はこう思う」って言える。もう1歩踏み込めなかったことをお話できる。

安蘭 そこは、成長した! 自信がついたね。【取材・村上久美子】

ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~ 映画「リトル・ダンサー」を原作にしたミュージカル。不況にあえぐ英国北部の炭鉱の町を舞台に、少年ビリーが、プロのバレエダンサーを目指す物語。少年の成長、大人たちの葛藤を描く。17年に日本で初演され、少年役はオーディションで複数選抜。少年の才能を見いだすバレエ教室のウィルキンソン先生役は、柚希と島田歌穂のダブルキャストだった。今回、再演にあたり、柚希と安蘭のダブルキャストになる。

☆柚希礼音(ゆずき・れおん)6月11日、大阪市生まれ。99年入団。09年星組トップ。13年台湾公演、14年100周年幕開け作に主演。15年5月退団。6年13日の在位は、平成以降最長。退団後もミュージカルを中心に活躍。身長172センチ。愛称「ちえ」。

☆安蘭けい(あらん・けい)10月9日、滋賀県生まれ。91年入団。雪組配属。00年に星組へ。03年「王家に捧ぐ歌」で女役のアイーダを演じ、演劇界からも高く評価される。06年星組トップ就任。09年4月退団。女優転身。身長167センチ。愛称「瞳子(とうこ)」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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