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実は面白かった『半沢直樹』。ドラマ『沈まぬ太陽』とよく似ている理由

青木るえか エッセイスト

最後まで見ないとおさまりがつかない「俗情との結託」

 『沈まぬ太陽』は渡辺謙主演の映画じゃなくて、WOWOWで20回の連続ドラマだったほう。これがNetflixで配信されはじめたので第1話を見たらずるずると20話ぜんぶ見てしまった。「国民航空」という日航バレバレな航空会社に勤める「信念の人」である主人公(ハンサム)が組合活動で左遷させられるやら、ジャンボ機墜落事故で遺族によりそうやら、新会長とともに会社を生まれ変わらせようとするやら、政治家の横ヤリで新会長は志半ばで去るやら、

 「企業リテラシーが低いからこんなもんを喜んで見てるんだ」

 と評論家に言われそうなストーリーだが、

 「そこじゃねえんだよ!」

 リテラシーが高かろうが低かろうがそんなこととは無関係に「カタルシスが絶妙に配されたドラマ」だからついついひっぱられて見てしまうの!

WOWOW提供拡大ドラマ『沈まぬ太陽』=WOWOW提供

 登場人物が過度に戯画化されているので、演技は抑えたものを至上と考える私は、『沈まぬ太陽』を好きだとは断じて言えないのに、最後まで見ないとおさまりがつかなくなってしまった。そういうのを「俗情との結託」っていうんだ。

 でも結託しようとしてコケるドラマが山ほどある中で、きちんと結託できてるだけで「よくやった」と思えてしまうほど今のドラマ界(とくに民放)はひどいことになってるって話だ。長い連続ドラマつくるなら、最後まで見せてみろと言いたい。文句はそのあと聞こう。

 と、『沈まぬ太陽』について書きたてましたが、ほんとよく似てるんですよ、『半沢直樹』と『沈まぬ太陽』は。

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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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