メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

加藤和樹&平方元基インタビュー(上)

ミュージカル『ローマの休日』、映画では描かれていない心情を音楽に乗せて伝えてゆく

橘涼香 演劇ライター


 製作から半世紀を超えて尚世界の映画ファンを魅了し続ける、オードリー・ヘプバーン主演の映画『ローマの休日』。とある小国の王女がヨーロッパ歴訪の旅の途中で立ち寄ったイタリア、ローマの地で手にした、一日だけの自由な時間に起きた、あり得ないめぐり会いと恋を描いた傑作ラブロマンスとして、永遠の輝きを放っている。

 そんな作品が東宝製作によりミュージカル化されたのは1998年青山劇場。アン王女に大地真央、新聞記者ジョー・ブラッドレーに山口祐一郎を迎えて、世界初のミュージカルになった『ローマの休日』は、宙を駆けるベスパと共に忘れえぬ感動を呼び起こし、2000年に同じキャストによって帝国劇場でも再演された。

拡大加藤和樹(左)と平方元基=伊藤華織 撮影

 それから実に20年となる2020年10月4日~28日、この日本発オリジナルミュージカルの伝説的作品が、アン王女の朝夏まなとと土屋太鳳をはじめ、魅力的なキャスト陣を擁して、装いも新たに帝国劇場の舞台に蘇ることになった。

 その舞台でジョー・ブラッドレーをWキャストで演じる加藤和樹と平方元基。共に日本ミュージカルに欠かせない俳優として躍進を続ける二人が、稽古たけなわの舞台について、また俳優同士としての互いについてを語り合ってくれた。

人がその場で演じるからこそ生まれる新たな魅力

拡大加藤和樹=伊藤華織 撮影〈ヘアメイク:江夏智也(raftel)/スタイリスト:立山功(ジャケット,000、ベスト,000、パンツ,000/CROWDED CLOSET:048-930-7224、シャツ,000/MEN’S BIGI:tel 03-5428-0378)〉

──誰もが知ると言っても言い過ぎではない名作映画の、オリジナルミュージカル版が久々に上演されることになりましたが、まず『ローマの休日』に持っていらしたイメージはどんなものでしたか?

加藤:イメージという言葉を使うならば、やはり誰もがご存知の「王道のラブロマンス」というのが、絶対的なイメージでしたね。どう?

平方:まさにそう。最近カラーになったものもあるので、それも見直しましたが、元々の映画はモノクロです。現代ではなかなか生まれない世界観だなと。

加藤:モノクロだからの良さもあるんだよね。

平方:それは思った! だからこそのロマンスだよね。

──そんな作品がミュージカルになり、更に20年ぶりに上演される訳ですが、ミュージカルになったからこその魅力や、特色は?

加藤:やはり楽曲やダンスがふんだんに入ることで世界観が広がり、作品の魅力も増していると思います。映画では描かれていない心情の部分を音楽に乗せて歌うことで、お客様に登場人物の想いがより伝わりやすくなるところが大きいなと思います。

平方:銀幕ではなく、舞台空間で僕たちが発信することになるので、音楽も加わって、よりダイナミックに見えますし、その回、その回によってどんな物語が出来上がって、どう着地するのかは僕たちにもわからない。それこそが舞台ならではの魅力ではないかなと。台詞も、音楽も全て決まっているのですが、やはり人間がその場で演じることによって、毎回必ず違う空気、違う表情が生まれるんです。それを楽しんで頂けるのはミュージカル版、舞台版だけが持つ魅力ですよね。

組み合わせの妙が生み出す新鮮さ

拡大平方元基=伊藤華織 撮影〈ヘアメイク:真知子(エムドルフィン)/スタイリスト:五十嵐堂寿(スーツ0,000/タリアトーレ、靴,000/パラブーツ(以上ビームス 六本木ヒルズ:03-5775-1623)、他私物〉

加藤:あとはやはりWキャストですね。アン王女、ジョー、カメラマンのアーヴィングが全てWキャストなので、色々な組み合わせでご覧頂けるので。

──それは本当に楽しみです!

平方:稽古中の今は大混乱でもあるんですけど(笑)。

◆公演情報◆
拡大ミュージカル『ローマの休日』
東京:2020年10月4日(日)~10月28日(水) 帝国劇場
愛知:2020年12月19日(土)~12月25日(金) 御園座
福岡:2021年1月1日(金・祝)~1月12日(火) 博多座
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本:堀越 真
演出:山田和也
音楽:大島ミチル
作詞:斉藤由貴
オリジナル・プロデューサー:酒井喜一郎
[出演]
朝夏まなと・土屋太鳳/加藤和樹・平方元基(東京公演のみ出演)/太田基裕・藤森慎吾(以上Wキャスト各役五十音順)
久野綾希子、今 拓哉、岡田亮輔、小野妃香里、港 幸樹、松澤重雄 ほか
 
〈加藤和樹プロフィル〉
 2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴びる。翌年Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。2009年には韓国、台湾、中国でCDデビューを果たし、音楽活動と並行し、舞台・ミュージカル・映像作品にも多数出演。俳優・声優としても活躍の場を広げている。近年の主な出演作品は、『フランケンシュタイン』、『ファントム』、『怪人と探偵』、『BACKBEAT』、『暗くなるまで待って』、project K『僕らの未来』、『1789 -バスティーユの恋人たち-』、ゲーム「ディスニーツイステットワンダーランド」、海外ドラマ「S.W.A.T」など。
公式ホームページ
公式twitter
 
〈平方元基プロフィル〉
 2008年連続ドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』でデビュー。2011年ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ティボルト役でミュージカルデビュー後、『エリザベート』、『マイ・フェア・レディ』、『レディ・べス』、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』、『王家の紋章』、『スカーレット・ピンパーネル』、『キューティ・ブロンド』など数々の本格ミュージカルにて重要な役を演じる。2021年1月にミュージカル『IF/THEN』への出演が決まっている。
オフィシャルサイト
公式twitter

・・・ログインして読む
(残り:約1379文字/本文:約3537文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

橘涼香の記事

もっと見る