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「医療者やヘルパーの世話になったら申し訳ない」と考えないでほしい

がん研有明病院腫瘍精神科部長・清水研医師に聞く

鈴木理香子 フリーライター

安楽死を望む患者さんにできること

――安楽死についてはどう考えますか。

清水 一部の患者さんにとって、オランダやスイスで行われているような安楽死は、ある種の救いになるかもしれないと私は考えています。だからといって、安楽死を認めているわけではありません。むしろ、現時点では私は反対です。

 安楽死の是非について議論する前に、現在「死にたい」と思っている方が、「生きたい」と思える方法はないか、十分に模索する必要があります。それをせずに安楽死を認めてしまうことで、生きる道筋が安易に閉ざされることを危惧しています。

熊本県天草郡市医師会が作った「わたしのノート」と「ノートの書き方の手引き」。「人生会議」を始めるために、「わたしの歩んできた人生」「わたしが受けたい医療・介護」などを書き込んでいく拡大熊本県天草郡市医師会が作った「わたしのノート」と「書き方の手引き」。「わたしの歩んできた人生」「わたしが受けたい医療・介護」などを書き込んでいく
――公益財団法人日本尊厳死協会は、患者の意思により積極的な延命治療を行わないことを、「尊厳死」としています。尊厳死についてはどうでしょう?

清水 基本的には賛成です。命を長らえる治療を差し控えるということも含め、最近ではACP(アドバンス・ケア・プランニング:人生会議)という考え方が出てきています。患者さんが人生の最終段階でどんな“生”を選ぶか。その選択肢を家族や医療関係者が尊重するようになってきています。

 本人が納得のいく医療を受けるために、関係者が話し合いを重ねるこのプロセスは、本人やご家族の満足につながっているように感じます。延命のためだけに人工呼吸器を使用するよりも、死を選ぶほうが自然であるという感覚もうなずけます。

――大前提として、納得のいく医療を受けるということがあります。

清水 ですから、次のような議論の展開には気を付けなければなりません。それは、

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筆者

鈴木理香子

鈴木理香子(すずき・りかこ) フリーライター

TVの番組製作会社勤務などを経て、フリーに。現在は、看護師向けの専門雑誌や企業の健康・医療情報サイトなどを中心に、健康・医療・福祉にかかわる記事を執筆